三番隊副隊長の無口美女は…？？

第54話 ページ11

近「Aにひどいことを言っちまった？？」


総「…そうなんでさァ。姉上に八つ当たりしちまったんです」







屯所へいち早く帰った俺は近藤さんに相談を持ちかけた








近「うーん……どうせ、トシ絡みだろ？？」


総「…！なんで分かったんですかィ…！？」


近「お前はトシのことになるとムキになりやすいからな」


総「…」









言われてみれば確かに間違ってはいない








近「Aはトシのこと好きだからな…。それでゴタゴタ起こしちまったと」


総「…っ悔しかったんでさァ。」









本当はいろんな思いが複雑に絡み合って起こった出来事だが、俺はそんなに人に自分の内を曝け出さない


その為、悔しいの一言しか出なかった









近「…フッ…そうか、まぁお前の姉ちゃんのことだ、謝りゃ許してくれるだろ。」







そんな俺の言葉に全て分かったように返す近藤さん








総「そうですかねィ…」


近「あァ、大丈夫だ。それに、ほら」








と俺の後ろを指差す


振り返ると…








総「！」


「あ、のゴメン！その…盗み聞きするつもりは…無かったんだけど…」








A姉がバツが悪そうにこっちを見ていた








近「ほら、総悟」








俺に小声で言う近藤さん


そうだ、今言わなくていつ言うんだ









総「あの、A姉。」


「何…？」


総「すいやせんでした。さっきは…」


「…」


総「俺、悔しかったんです。いつかA姉まで俺から離れてしまうんじゃねェかって…」


「…」


総「こんな弟、嫌ですよねィ…」


「…」









…


やっぱり…








総「嫌で––––––––」








ギュッ




俺が言いかけた途端に抱きしめてきたA姉








総「え…」


「…あの、さ…総悟」


総「なんですかィ…」


「私が、自分の弟や妹が嫌いだったら、こんなに声を取り戻そうなんて思ってない」


総「…」


「私が、あんたのこと嫌いなわけないでしょ、大好きだよ。私の大切な弟なんだから」


総「っ！大切な…弟…？」


「うん」


総「本当ですかィ…？」


「うん」


総「…っ…！A…姉っ…！」








気がつくと俺の頬は涙で濡れていた


申し訳なさからか喜びからかは分からないが、心が異常に安定していた






近「(もう、大丈夫そうだな)」



「総悟、ごめんね、大好き」


総「俺も…でさァ…」









やっと、俺達(姉弟)は繋がれたんだ…

第55話→←第53話

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す