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ファンの形1 ページ1

私の高校以来の友人、凛加は推しに関して、時々突拍子もないことを聞いてくる。


「Aさ、推しに自分がリアコだって思ったことある?」


「…………は?」


「え、あるの?!」


「いやいやいや…ちょっと待て。どうしてそうなった」


思わず隣で話を聞いていたもう一人の友人、綾瀬も口に持っていきかけたドーナツを皿に戻して口を挟む。

何を言っているんだこいつは…


「そしてなぜ私にも推しはいるのにリアコかどうか聞かない?」


「だって綾瀬はリアコになるほど推しのこと推してなさそうだもん」


「いや、失礼か。ってか本当になんでそんなこと聞いたん?」


「え、だってさー、私の推しにね、この間ファンミでさー」


……………正直言って、私は高校生の時から自分の推し、三浦宏規をどう思っているのかあやふやである。


宏規くんに憧れて、この世界に入った。初めて宏規くんが出ている舞台を見たとき、とても言葉では言い表せないほどの感動を抱いた。凄まじいほどの強い影響を受けて、「こういう風になりたい!」と、生まれて初めて思った。性格など、分かることは全て調べ、イベントや舞台にも、行けるものは行った。


実際、今もその姿を追っている途中である。今はダンスの経験を生かして、ミュージカルや舞台のダンサーやアンサンブルとして稽古をする毎日。ゆくゆくは役をもらいたい…と思っている。


しかし、恋愛として好きなのかというのは違うと信じたかった。
リアコでいたところで、叶うはずがない、一ファンとして応援をして、成長を見て喜ぶ……これ以上のことを推しに望んではいけない。自分が悲しいし、真剣に俳優業をやっている彼自身にも迷惑がかかる。


だから


「思ったことないよ」


そう言って笑うと、凛加は「そっか〜」と落ち込んだ。凛加はKーPOPが好きで、ずっと長くファンをしている人がいる。高校生の時、ファンミーティングで握手をして、すごく喜んでいた。


「でもさ〜」と、綾瀬がまたもや口を挟んだ。今度はなんだよ。


「推しのことを追って、その業界に入るのって凄いことじゃない?生活していけないかもしれないのに、そのリスクを考えた上で推しと同じところに立ちたいと思うのって、相当な覚悟じゃん。」

「私、素直にAのこと尊敬する」と、綾瀬が神妙な顔で言う。それに、凛加も首を勢いよく縦に振る。


「褒めても何も出ないよーでもありがと」と軽く返したが、私は内心、冷や汗をかいていた。

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設定タグ:舞台俳優 , 三浦宏規   
作品ジャンル:恋愛
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ひよこまめ(プロフ) - 晴菜さん» ありがとうございます!長らく更新せずにすみませんでした……溜めていたのでバンバン更新(多分)します! (2019年10月25日 22時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
晴菜 - 続き楽しみにしています!無理せず頑張って下さい! (2019年10月21日 0時) (レス) id: 3c5af7941e (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 木綿さん» コメントありがとうございます!最近暇なので……(本当は試験が迫っている)きまぐれ更新ですが、付き合っていただけてありがたいです (2019年10月13日 5時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
木綿 - たくさん更新嬉しいです!!続きドキドキです〜〜 (2019年10月13日 1時) (レス) id: a9775c7f67 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございます!最近更新が滞っているのでどんな文句が…とビクビクしてコメント見ました笑とても暖かいお言葉、ありがとうございます。 (2019年10月6日 0時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひよこまめ x他1人 | 作成日時:2019年8月27日 4時

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