自由奔放なスリザリン生Ⅰ【親世代】 (ページ32)

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なくなる自信ページ32

「コレでもダメ…」

最近はどれも失敗続きで脱狼薬の開発がうまく行かなくなってきた。

「スランプかね？」

「校長先生…」

スラグホーン先生が不在で一人の中、研究していると後ろから優しい声がした。

「今日は満月です、今苦しんでいる人達がいるのっていうのに…何の役にも立てないなんて。」

「焦るでない。君は必ず成し遂げる。所で儂からの課題は進んでおるかな？」

「はい。今の所、図書館の３分の１は読み終わりました。魔法界の全てを知りそうですよ。貴方のお陰で」

「それは良かった。」

「校長先生、」

「何かな」

「クリスマス休暇で“例のあの人”に会いました。」

「！…そうか、何を話した」

「こちらへ来ないかと。」

「それで」

「もちろん、断りましたよ。人を殺すのはゴメンですし、私は皆みたいに純血とかマグルとか半純血だとかそこまで意識して無くて。」

「君は古臭い考えがなくて助かる」

「はは…」

おじいちゃんのくせに古臭いとか…

「閉心術はまだのようじゃの」

「聞こえてました？」

「ばっちりとな」

「コレは失礼。」

「開心術はどうなっておる」

「まだ手を付けてません。」

流石に一気にはできない。

「そうか…君の精神の強さによるができそうかの？」

「どうでしょう？“拘束”でもされてボロボロにされない限りわかりませんね」

「うむ、よろしい。」

「さ、早くこの研究を進めなくては…」

上手くいくだろうか。

机に並ぶ羊皮紙を見てため息が出る。

作業が憂鬱なのではない。

上手く行かないこの脳みそに憂鬱なのだ。

「何もない所から始めるのじゃ。壁に当たるのは至極当然のことじゃないかの。」

「…もう少しこの頭は優秀だと思っていたんですがね。」

「過信しすぎたようじゃな」

「ひどいなぁ。」

「魔法力の方は安定しておるかね」

「えぇ。まぁ」

「また何か違和感を感じたら言いなさい。」

「ありがとうございます。そうだ、なにかアドバイスでもくださいよ」

「がんばれ」

「ソレは応援です」