自由奔放なスリザリン生Ⅰ【親世代】 (ページ22)

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“勝利”の道ページ22

「ごめんごめん、戻ったよ。」

「遅いわよ？心配したわ。」

「心配してくれてありがとうね！」

「何を話してたの？」

「なーいーしょ！」

「…？」

「先輩、気持ち悪いですよ。」

「思っても言うな。シ、シンプルに傷つくわ。」

寒い。

冬だから寒いのは当たり前なんだけど、簡単に言えば風邪のような

いくら温めても無駄のような気がする。

「なんか、さ、寒くない？」

「まぁ、手足は少し冷えるけどそこまでじゃないわよ。」

「なんだ、寒いのか？」

「ま、末端冷え性なのかなー少し冷えるや。」

末端？それどころか体全身が冷え切っている。

「今日は先に戻るね。」

ｶﾞﾀｯ

「うおっと、危ない危ない、」

目眩がして倒れそうになってしまった。

「先輩、大丈夫ですか？」

「うん、大丈夫だよ。ごめん…ね、」

「A？！」

「しっかりしろ、A！」

「ポンフリー！」

「はい！！」

声が聞こえる…迷惑かけて申し訳ない…

私は冷えた体を床に押し付けて意識を失った。

「…、ん」

「起きたかの？」

「校長、先生…私…、」

「倒れたのは覚えているね？」

「はい、風邪ですか？」

「似たような症状じゃが、原因は別にある。」

「別の原因？」

「魔法力じゃ。」

「…まさか。今日ですよ？溢れ始めると気づいたのは今日だ！ちょっと、何がなんだか…」

「思っていたより、増加のペースが早いの、熱がある所申し訳ないが、外に出よう。魔法力を開放しなければならん。」

「はい、」

「寒すぎる！！！！」

「早く手袋を外すのじゃ。」

「気づいたんですが、手袋を着けている方が出す…いや出ている魔法力は不安定なのでしょうか？」

黒の革手袋を外しながらふと疑問に思ったことを聞く。

「可能性はあるの。」

「なるほど、…では行きます。」

「うむ。」

「プロテゴ！！！」

手から強く放たれた青白い光が大きなホグワーツ城を分厚い壁を作って包み込む。

「っ、はぁ…。」

「気分はどうかな？」

「少しスッキリしましたが、この時期に外に出るのは普通に風邪ひきそうです。」

「まずは部屋に戻ろう。温かいココアをだそう。」

「あ、ありがとうございます…」

「ねぇ、見て？」

「何だい？ナルシッサ。」

「今、外に白い光が…」

「…？何もないよ。」

「気のせいかしら…」