自由奔放なスリザリン生Ⅰ【親世代】 (ページ16)

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天才ページ16

Aは今まで…と言っても出会ってまだ少しだが、兎に角、今までに無いほど真面目に集中して取り組んでいた。

「見ていたまえ二人共…彼女は魔法薬学者になるために生まれてきた天才的な才能を持つ女性だ。」

スラグホーン先生はそういった。

たしかにそうだ。

今、彼女は棚から材料を触り・嗅ぎ・見て質の良いものを見極めている。

「セブ、すごいね…なんか、ずっとニコニコしてるAを見てきたからか、かっこいいね、」

「そう、だな…」

こういうのをギャップっていうのかも知れない。

「スラグホーン先生此処なんですが、」

「どれどれ、あぁ、これじゃあ効果はないかも知れないね…」

「そうですよね〜…あ”ー、くっそ、」

悔しそうに頭をガシガシしている。

リリーは何を作っているのか気になったのか近づきだした。

「髪を結んでから来なさい。」

「ごめんなさい、」

Aがリリーに注意をした。

「ごめんね冷たい言い方して。でも綺麗な髪が焦げたりでもしたら大変だから、コレ使って？」

Aがポッケから出したのは髪ゴムだった。

「ありがとう、A」

「いえいえ、少し休憩しようかな。」

此処から先が…と声を漏らしながら釜の中身を消した。

失敗だったのだろう。

するとリリーが質問をした。

「Aは何を作ってるの？」

「あ～、言ってなかったけ？」

「トリカブトということは、魔法動物に関する薬か？」

「正解。脱狼薬を開発してるんだ。」

「だ、脱狼薬だって？」

脱狼薬…今までにない薬だ。

コレが完成したら世界中から注目の的になるに違いない。

「Aはどうしてそれを開発しようと思ったの？」

リリーが理由を聞けば親戚の狼化をきっかけにコレを考えたのだとか。

でも、僕には別の理由が浮かんだ。

＿＿Aが狼人間なんじゃないか

自分のために薬を作ってるんじゃないか？

いや深く考えすぎだろう。

でもAはこういった。

「もし、自分の身近に狼人間だって人が居ても、今までのその人を思い出してほしいんだ。その人が喩え嫌いな人だとしてもね。狼と人間のときでは性格が変わってしまうから、ちゃんとその人を見てあげてほしいんだ。」

ちゃんと相手を見てほしい。

そうだよな。

僕はさっきのことを考えるのはやめた。

Aはまた作業を始めた。

メモしている羊皮紙の枚数はドンドン増えていき、作業のかなりのスピードで行われていた。