自由奔放なスリザリン生Ⅰ【親世代】 (ページ15)

今日:57 hit、昨日:104 hit、合計:95,649 hit

作る理由ページ15

「その人は、噛まれたくて噛まれたわけじゃない。まぁそう望む人の方が少ないと思うけど。兎に角、私は近くでその苦しみを見てきた。満月の夜には体が狼の姿へと変わり、理性を失い、友人だろうと家族だろうと関係なしに襲ってしまう。」

それに、その人は優しすぎたが故に自分を傷つける事もあった。

「だから、自分に＿自分にもし魔法薬学の才能があるなら、それに賭けてみたかったんだ。それが今こうして、此処まで来てる。後少しなんだ、だから卒業後もこの開発を続けるつもりなんだ。」

「そうなの、でもAならきっと！いえ、絶対に完成できるわ！」

「ありがとう姫。」

「セブもそう思うわよね！」

「あぁ。」

結構即答。

強制じゃないか。

傷つく。

「ありがとうスネイプくん。だから…私からのお願いなんだけど」

「うん。」

「もし、自分の身近に狼人間だって人が居ても、今までのその人を思い出してほしいんだ。その人が喩え嫌いな人だとしてもね。狼と人間のときでは性格が変わってしまうから、ちゃんとその人を見てあげてほしいんだ。」

「わかったわ、」

「スネイプくんも分かってくれる？…でも君たちがどう思うかは君たち次第だから口出しできないけどね。」

「努力する。」

「ありがとう。じゃあ作業に戻ろうかな、」

作業に戻り、またトリカブトの入った水をベースに作る。

次は混ぜるときの向きを変えよう。

もしかしたらまた別の材料が必要になるかも知れない。

必要になる可能性のある材料をあらかじめ羊皮紙の端っこに小さく描いておく。

研究が終わった後には机の上は羊皮紙と失敗作でいっぱいだった。