自由奔放なスリザリン生Ⅰ【親世代】 (ページ14)

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脱狼薬の研究ページ14

「もちろん良いとも！さぁ、入って」

「少し集中したいから離れて見てくれると嬉しいな。」

「わかったわ！」

二人は壁際に少し下がってくれた。

手首につけていた髪ゴムを外し首元まである髪を結ぶ。

「はい、コレ。前回の続きね。」

「ありがとうございます。」

「本当に君は優秀だ。私の生徒で嬉しいよ。でも、そろそろパーティーに来てくれても良いんだけれどね？」

「すみません、クリスマス後のパーティーは行きますよ。」

「本当かい？！いやぁ、今まで以上に力を入れないとね！」

「大げさですよ。」

早速、材料を用意する。

常に使う材料は最高質のものを厳選する。

棚に置いてある、瓶からその材料を選ぶ。

脱狼薬に必要だと考えている材料で最も重要なのはトリカブト。

魔法動物の猛毒効果を失くすためによく使われている。

コレがなければ始まらない。

用意した釜にトリカブトの花のエキスを入れた水を入れ沸騰させる。

今は水から釜の状態まで全てを試行錯誤し研究中である。

羊皮紙にメモを取りながら材料を少しづつ入れていく。

「次は、コレを…」

あれ、なんだか変。

今までのと違う。

「スラグホーン先生、此処なんですが、」

「どれどれ、あぁ、これじゃあ効果はないかも知れないね…」

「そうですよね〜…あ”ー、くっそ、」

二年生から初めて約四年間。

この長期間成功らしき結果が出たのは一度だけ。

しかし、同じようにやっても同じ結果にならない。

悔しさに頭をガシガシと掻きむしる。

意味がわからない。

すると姫が気になってきたのか釜に近づいてきた。

「髪を結んでから来なさい。」

「ごめんなさい、」

少し冷たい言い方をしてしまった。

「ごめんね、冷たい言い方して。でも綺麗な髪が焦げたりでもしたら大変だから、コレ使って？」

ポッケにしまっていた予備の髪ゴムを渡す。

「ありがとう、A」

「いえいえ、少し休憩しようかな。」

「此処から先がなぁ、」

混ぜる時の向きなのか、？

失敗だ。

杖を一振りして中身を消す。

「Aは何を作ってるの？」

「あー、言ってなかったっけ？」

「トリカブトということは、魔法動物に関する薬か？」

「正解。脱狼薬を開発してるんだ。」

「だ、脱狼薬だって？」

「そう、狼になっても理性を保てる薬。」

「Aはどうしてそれを開発しようと思ったの？」

「近くに狼人間に噛まれた人がいたんだ」