バーボンしか知らない私としつこいバーボン奮闘記【名探偵コナン】

運命？ ページ29

「「あ」」


本屋で新作を買おうと手を伸ばしたら誰かの手と重なった。


誰がこんなベタなシチュエーションを想像しただろうか。五十万人居てもそんなのあり得ないと答えそうな位確率低いのに。


「どうぞ。」


その本は在庫まだあるので別に「僕は良いよ。君の方が最初に＿＿」みたいなことはない。


「ありがとうございます…」


ずっと前からほしかった本で手に取ると頬が緩むのが自分でもわかる。


「このシリーズ本好きなんですか？」


「はい。私あまり小説を読まないんですがこれだけは何時も買っちゃうんですよね」


「俺も好きです。良かったら連絡先交換しません？ほら語り合い的な」


同士がいるのは良いことだ！と完全に警戒心を解いて連絡先を書いた。


シャロン「A？」


「シャロンさん…ではさような…あれ？」


シャロンさんの声がしてそっちを向いた隙にいつの間にか消えていた。


「あ、名前聞き忘れてた…」


何て呼べば良いんだろう。今度会ったときに聞けば良いかな。なんて。


シャロン「また会いましょうmy love」







Prrrrrrr


私の着信音が近所中に響く。音下げるの忘れてた。


「も、もしもし」


音量に気を取られて全然表示画面を見てなかった。


「あ、さっき連絡先を交換させて貰った者だけど…名前言ってなかったなーっと思って…迷惑だった？」


「いえ。私こそ大切なところ忘れてたなーって丁度思ってた所なんです。」


「そっか。電話越しで申し訳ないけど俺は緑川。緑川唯。宜しく」


緑川唯さんか…ちょっと可愛らしい名前だな…何て思ってたら可愛いとか思ってるんじゃないだろうなと図星を付かれた。エスパーか


「私は風見Aです。宜しく」

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