123話 最高のヒーローに ページ2
緑谷side
麗日さん.....当たり前だよな.....悔しくないわけないのに.....
何もしてあげられない.....それどころか
また.....背中を.....
「.....蓮香は.....お前のせいで死んだんだぞ！？分かっているの「分かるわけないに決まってるでしょ⁉」
この声は.....エンデヴァーと鎧塚さん.....⁉死んだ？誰のことだ.....何を話しているんだ.....
「両親も.....育ててくれたおじさんも死んで、正気でいられると思う⁉空っぽなのは辛い.....！側に居てくれないのは寂しい！私は羨ましい.....力があって、家族がいる貴方が.....！！ヒーローの前に父親でしょ！？だったら.....轟さんの心を守ってあげてよ.....っ.....！」
いつも笑顔で優しい彼女からは想像もつかない言葉を聞いて、僕は.....びっくりした
彼女から湧き上がる悲痛な叫び、苦しみ、僕が想像もつかないところで、彼女は苦しんでいる
僕に何か出来るわけじゃない.....だけど.....
『リラックスです！緑谷さん！』
個性把握テストの時も.....
『.....大丈夫ですか？』
入学試験の時だって.....！
だから.....
「鎧塚さん.....！貴方が、何をしているんですか」
気付いたら、僕は2人の前に出ていた
人のことを想える彼女が僕にとって.....
あまりにも眩しかったから
助けたい
「何.....癪に触ったから少しな.....それと、君の活躍見せてもらった、素晴らしい"個性"だね.....指を弾くだけであれ程の風圧.....！パワーだけで言えばオールマイトに匹敵する"個性"だ」
ワンフォーオールのことを知ってる.....！？
いや.....この人にだけは悟られちゃダメだ.....!
「何を.....何を言い.....たいんですか！」
エンデヴァーの言葉に動揺した僕は、声が上ずる
僕の問いかけに、エンデヴァーは轟くんと自分を重ねているような、そんな言い方をしていた
オールマイトは自分には超えることができないと知っているから.....
僕は.....僕は.....！
「轟くんも.......あなたじゃない.....！」
彼を助けてあげたいと思ってしまった
「鎧塚さん.....大丈夫.....？」
彼女はとても痛そうにしていたが、それでも僕に心配かけまいと微笑んでいた
「.....行ってくるね.....」
僕が歩き出した時、彼女は呟いた
「.....最高の.....ヒーローに.....なってね.....」
弱々しくも、凛とした声
その声に僕は背中を押される
震えながらも僕は親指をたてて応えた
それを見た彼女は安心したように笑っていた
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作者名：雪乃 Kei | 作成日時：2020年4月29日 13時
