124話 眩しい人 ページ3
「早く.....試合が.....はじまっちゃ.....う」
私は痛みに耐えながら、壁に沿って歩いていく
デクさんはやっぱり凄い.....
いつも全力で、努力をしていて、私にまで勇気をくれる
お願い.....貴方の真っ直ぐな心で轟さんを救ってあげて.....
私にはできない.....でも.....貴方なら.....
「あれ？鎧塚じゃねぇか！どうしたんだこんなとこで.....って.....怪我してんのか！リカバリーガールのとこ行くか⁉」
角を曲がろうと思ったら、延長戦をしていた切島さんとばったり会った
「大丈夫.....次の試合見ないと.....」
「じゃあ.....ん.....」
私の様子を見かねてか、切島さんは顎に手を置いて考え込んだ後、しゃがみこんだ
「それじゃあ辛いだろ、観客席までおんぶで連れてくぜ！」
「え.....でも.....「良いから良いから！」
切島さんの圧に負けた私は渋々彼の上に乗った
「よいしょっと.....そういやどうして鎧塚さっきまで観客席にいなかったんだ？」
「対戦相手と顔を合わせたら気が緩んでしまいそうで.....」
私の言葉にうんうんと頷きながら、「確かになー」と呟いた
「でも俺の次の相手爆豪なんだよなー！だから彼奴は全然関係ないっていうかなんていうか.....」
「私の相手.....常闇さんは謎に包まれてるって感じがします.....」
「俺らどっちも勝ったら準決で戦えるな！頑張ろうな！鎧塚！」
切島さんはいつもかっこよくて、ヒーローに対する熱意や気合いがびしびし伝わってくる
やっぱり眩しすぎるよ.....
「ゲッ試合始まってんじゃん！」
結局、観客席までおぶってもらってしまった
「なんだなんだお前ら！切島.....超羨ましい.....！！それはともかく切島、鎧塚も二回戦進出やったな！」
上鳴さんが私たちに手を振りながら喜んでくれている
「そうよ、次おめーとだ爆豪！」
「ぶっ殺す」
爆豪さんは相変わらずの口の悪さだった
「ありがとうございました.....あっ.....」
「Aちゃーん！」
「となり！空いてるぞ！」
切島さんから降りた後、手を振っているお茶子さんと飯田さんの元に行こうとした
「ぐぇ.....何.....っ.....」
だけど.....私は体操服を掴まれて、気付いたら席に座っていた
私の隣にいたのは
「おい、この試合お前はどう見る」
ものすごく不機嫌そうな顔をした爆豪さんだった
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作者名：雪乃 Kei | 作成日時：2020年4月29日 13時
