24話 ページ26
私達が訪れたのは
水の部族領の港町 四泉
この日は生憎と天気は雨
私も皆もずぶ濡れ状態
景色を楽しみにしていたヨナは残念そうに
空を見上げてた
「緑豊かな水の部族の地‥残念。
楽しみにしてたのに雨で何も見えないなんて」
「雨に濡れた水の地も
なかなか風流で美しいじゃないか」
わぁ
ジェハは大人の答え方だねぇ
私と年は2歳しか違わないのに
それと
‥‥雨に濡れたジェハはカッコいい‥
水の滴るイイ男ってこの事を言うのかなぁ?
「四泉 ここは水の部族領でも有数の港町だな
‥‥ってシオン何ニヤニヤしてんだ?」
はわっ
ハクの言葉で現実に引き戻される
何考えてたんだよ、私‥。皆がいるのに
「いや、何でもない
それより私ここにくるの久しぶりなんだよね!」
「えっ?シオンここに来たことがあるの?」
「うん。一人旅してた時に立ち寄ったんだ♪
綺麗な所なんだよ」
「へぇ!!その話、詳しく教えて!」
話題に興味をもったユンが話に加わってくる
さすが(自称)天才美少年!!
だけど‥‥
「聞きたいけど‥私も
濡れた服を着替えたいからちょっと出てって」
うん。私も着替えたいです‥‥。
男共を部屋の外に追い出すと
私とヨナは着替えに取りかかる。
「シオンは凄いわね。一人旅なんて」
「んーでもしばらくジェハといたし
別れてからも、この辺りに住む人達に
お世話になってたから‥凄くはないよ」
「ううん。外の世界に出て一人で
生きていけるのが凄いと思うの。
私、最初は包丁も握ったことなくて」
ヨナ‥‥‥
まあ、それは‥仕方ないよね‥‥
「大丈夫!今は皆いるし。
でも一人旅は辛いよ〜あのときは‥」
ん?
何だか部屋の外が騒がしい
ハクとジェハ、外出するのかな?
着替え終わった私とヨナは
部屋から出てみる
『どこにいくの?』
ヨナと口を揃えて聞いてみた
「女の子のいる店」
なんてジェハが笑って言うけど
その店‥‥行ってほしくないんだけど
「行きませんよ」
僅かに顔を曇らせてたヨナは
ハクの言葉を聞くと
「そうなの?」と表情を明るくさせる
それを見たジェハの表情が
少し暗くなったのが気になる。
けど、いつもの調子に戻って
散歩に出かけてしまった。
悶々としていても仕方ないから
別の事を考えよう。
んー別の事‥‥
そだ! 今頃、"リリ"達は元気にしてるかな‥?
私はぼんやりと外を眺めていた
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作者名：暁風の夢 | 作成日時：2015年11月28日 23時
