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▹▸A
『えっと…なんかゴメン。』
合宿から帰って来て夏休みが終わってもいつものように私を起こしに来てくれたけーちゃんは合宿は勉強になったと満足そうにしていたものの、盛大にため息をついて見せた。
あの後の木兎さんはエグかったそう。
なんか、凄かったらしい。
「Aちゃ〜んっ!!」
2人で通学路を歩いていると最近やっと見なれたミミズクヘッド・木兎さんが走ってくる。
「・・・噂をすれば影がさす」
それを見てけーちゃんは一瞬ゲッソリとした顔を見せるも、なんだかんだ少し嬉しそうな顔をする。
「ん〜会いたかった!Aちゃん不足で死にそ!」
私の鎖骨あたりに顔を埋め、ぎゅっと触れる温もりは久しぶりでどこか安心した。
「ねぇねぇ会いたかった?Aちゃんも会いたかったんでしょ?可愛いな!」
・・・もうこの人知らない。
「でな〜!ツッキーがな〜」
そんな私を露知らず、木兎さんは無邪気に話をする。
ツッキーやら黒尾やら、スイカやら焼肉やら。
バレーや友達(?)のことを楽しそうに話す姿は、やっぱりバレーが好きなんだな〜っと思えた。
「Aちゃん笑うようになったな〜」
「確かに。オイ木兎!敵が増えちまうぜ〜」
「一周回って誰も木兎に勝てるヤツって居なくね?」
「木兎〜」
バレー部の先輩達が話している中、少し離れた場所から女の人の声が聞こえる。
「おぉ!どーした?」
…ズキン
さっきまで私に向けられていた輝く眩しい目は、女の人に向けられていた。
私とは違って明るくて長身でポニーテールの似合う人。雰囲気から木兎さんと仲が良いのが感じられる。
「・・・A??どうかした?」
『・・・何でもない。ゴメンけーちゃん先行くね。』
クルリと踵を返し木兎さんに背を向け歩き出す。
━━━その日から。
なんとなく木兎さんを避けるようになった。
なーんだ。
いるじゃんか。素敵な人。
そういえば木兎さんは猛アタックをされて赤くなる私に「ん〜スグ赤くなるとこ可愛い!!」って言ってた。
からかってただけなんだ。
やっぱり大切な人なんて要らない。
失うのがこんなにも怖い。
気付かないフリしてた、たった2文字の感情。
ねぇ。木兎さん。
初めての気持ちをありがとうございました。
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ろん。(プロフ) - おまんじゅうさん» えぇ?!めちゃくちゃ嬉しいお言葉です…っ😭😭新作は幾つか案が出て居るのでなるべく早く書けるように頑張りますねᕙ( ˙꒳˙ )ᕗありがとうございました💕✨ (2022年4月3日 7時) (レス) id: bd82f03367 (このIDを非表示/違反報告)
おまんじゅう - この夢小説神過ぎて号泣しました!!😭✨これからも占ツクの作品作り頑張って下さい!✌️ (2022年4月3日 1時) (レス) @page50 id: 620ff6aba0 (このIDを非表示/違反報告)
ろん。(プロフ) - 塩入り紅茶さん» こちらこそ数ある夢小説の中でこの作品を見て下さりありがとうございます(*´˘`*)コメントまでして頂いて私はめちゃめちゃ幸せものです。本当にありがとうございます!! (2022年3月28日 22時) (レス) id: bd82f03367 (このIDを非表示/違反報告)
塩入り紅茶 - ろん。さん、こんな素敵な作品を書いていただきありがとうございます!私は木兎さん好きなのでなんだかかわいい姿を見たみたいで面白かったです!ありがとうございました!!!! (2022年3月28日 22時) (レス) @page50 id: 2b0f4e3316 (このIDを非表示/違反報告)
ろん。(プロフ) - 黒瀬将哲さん» 黒瀬将哲さん素敵なコメントありがとうございます( ;꒳; )私はこのコメントに泣きました…バイトの休憩中にこのコメント…っ!!社畜後に暖かいコメント嬉しかったです( *´꒳`* )こちらこそ出会って下さりありがとうございました!! (2022年3月13日 16時) (レス) id: bd82f03367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツナ缶本仕込み | 作者ホームページ:http://@ya love
作成日時:2021年11月1日 23時