▹▸ ページ44
▹▸A
誰も居ないと酷く広く見える第3体育館。
卒業式なんて大っ嫌いで。
小学生の時の卒業式は家族を喪った。
高校に入り木兎さんと出会い、木兎さんの卒業式が訪れた。
ーー木兎さんの卒業式の後。
ニヤニヤした木葉さんと小見さん。優しく笑うけーちゃんと鷲尾さん、猿杙さんに背中を押され、2人でここへ来た。
ーー『・・・行ってらっしゃい。木兎さん。』
ーー「!!・・・おう。行ってきます!」
ねぇ。木兎さん。
あの時私は上手く笑えてましたか??
ねぇ。木兎さん。
木兎さんの居ない1年間は少しだけ物足りなかったです。
廊下を歩いても私に手を振る人なんていない。
何かを食べていたら隣から覗いて上目遣いする人も
外で体育の授業中なのに窓から私の名前を呼ぶ人も
しょぼくれて机の下とか物の隙間に隠れる人も
だって!ってごねる人も
全部全部、木兎さんだけだから。
『.....っぅ、』
会いたい。
夢でもいいから会いたいです。
貴方のするバレーがみたい。
貴方に逢いたい。記憶の笑顔に触れたい。
「・・・っAちゃんっ!!」
『・・・っ?!』
聞き間違えるはずが無い。
逢いたくて会いたくて堪らない
愛おしくて愛おしくて堪らない人の声。
まるで映画のワンシーンのように
世界が鮮明にゆっくりと見える。
「…???アレ?Aちゃーんっ!」
『ぼ、くと、さんっ?』
ゆっくりと振り向けば1年前と変わらない笑顔で私の名前を呼ぶ姿。ただ違うのはその胸には小さな花束が抱えられている事。
「・・・ウン!ボクトさん!」
『...ぁ、っ』
涙で視界が歪んでいっても
大好きな人の笑顔だけは鮮明に映る。
「卒業、おめでとう!」
『ぼ、くとさっ、んっ…』
けーちゃんに言われた時には直ぐに返事が出来たのに
言おうと思ってたことも何もかも忘れて真っ白になる。
「も〜泣き虫だなぁ。」
ーーおいで。
初めて木兎さんの前で泣いた日が脳裏に浮かぶ。
確か木兎さんは「おいで」を言い直したんだ。
「Aっ!来いっ!!」
220人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろん。(プロフ) - おまんじゅうさん» えぇ?!めちゃくちゃ嬉しいお言葉です…っ😭😭新作は幾つか案が出て居るのでなるべく早く書けるように頑張りますねᕙ( ˙꒳˙ )ᕗありがとうございました💕✨ (2022年4月3日 7時) (レス) id: bd82f03367 (このIDを非表示/違反報告)
おまんじゅう - この夢小説神過ぎて号泣しました!!😭✨これからも占ツクの作品作り頑張って下さい!✌️ (2022年4月3日 1時) (レス) @page50 id: 620ff6aba0 (このIDを非表示/違反報告)
ろん。(プロフ) - 塩入り紅茶さん» こちらこそ数ある夢小説の中でこの作品を見て下さりありがとうございます(*´˘`*)コメントまでして頂いて私はめちゃめちゃ幸せものです。本当にありがとうございます!! (2022年3月28日 22時) (レス) id: bd82f03367 (このIDを非表示/違反報告)
塩入り紅茶 - ろん。さん、こんな素敵な作品を書いていただきありがとうございます!私は木兎さん好きなのでなんだかかわいい姿を見たみたいで面白かったです!ありがとうございました!!!! (2022年3月28日 22時) (レス) @page50 id: 2b0f4e3316 (このIDを非表示/違反報告)
ろん。(プロフ) - 黒瀬将哲さん» 黒瀬将哲さん素敵なコメントありがとうございます( ;꒳; )私はこのコメントに泣きました…バイトの休憩中にこのコメント…っ!!社畜後に暖かいコメント嬉しかったです( *´꒳`* )こちらこそ出会って下さりありがとうございました!! (2022年3月13日 16時) (レス) id: bd82f03367 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ツナ缶本仕込み | 作者ホームページ:http://@ya love
作成日時:2021年11月1日 23時