熱 視 線 。【沖田総悟】

泪の恋煩い（２） ページ15

「…最低」


指の跡が赤く浮き上がった彼の横顔。
一言吐き捨て、ほろり頬を伝ってしまった一筋の泪を拭い、その場を後にする。


総悟くんにとって私は遊び道具でしかないのだろう。

例えそれが私にとって大事なモノであっても。
彼との価値観が違えば、容赦なく奪われてしまう。




「ーー何よ、私が何したって言うの」



収まらない怒りと共に続々と口から飛び出す愚痴の数々。


「ただ私は、トシに会いたくて」

「ーーこんなところで座り込んで何してんだ、A」


「トシの力になりたくて」

「ーー立てねぇのか？」


「ただ、私はーーー」

「ーーA」



脳裏に次々と浮かぶトシの表情、低い声音。

キスの後の、立ち尽くすトシの顔。



「悔しいよ…っ」



はらはらと頬に落ちていくそれを雑に拭いながらしゃがみ込み、一頻り声を殺して泣きじゃくったのだった。






「 泪の恋煩い 」
(恋なんて、しなければ良かった)



いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
総悟の恋愛イメージを迷子になりながら執筆しておりますが。

沖田くんは男前スキルとサディストのスキルという最強の技を兼ね備えているので、好きな子だろうがなかろうが、鬼のように押しが強そうなイメージです(主観)

この作品を通して、私自身ももっと総悟のことを身近に感じていきながら、彼らしさを出していければなと思っています。

今後も熱視線。をよろしくお願いいたします。
気に入っていただけたら、☆またはコメントを置いて行ってくださると嬉しいです。


宇治

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