漢の理性（２） ページ19
*
「ーー先刻、高杉に会った」
ヅラと向かい合って腰を掛け、真っ先に発されたその言葉。
ーーやはり、あの羽織は高杉の物で間違いなかったらしいな。
「だろうな。かぶき町にいる時点であいつがAに接触して来ないわけがねぇ」
「今回は様子見と言ったところか…高杉がこうも安易と手を引くとは思えん」
「ケッ、未練がましい野郎だぜ」
まあ、人のことをとやかく言える筋合いねぇけど。
ーーしかし、先日の嫌な予感がこんなにも早く訪れるとはな。
「今日起きた事の成り行きは、Aには伏せておいた方が良いだろう。Aは高杉の事となると一心不乱に行動を示す傾向にある」
「ーーアイツは高杉に会いたいと俺に依頼してきた。だったら俺は万事屋の仕事を全うするしか道はねぇ」
「正気か？銀時。奴は一度Aを手放したのだぞ」
「それでもAは会いたがってる。独善的な勘違い野郎だがーーそんなあいつをAは愛してんだ」
「…おまえはそれでいいのか？」
ーーー良くなんてねーよ。
そう言ってしまえればどんなに楽だろうか。
その言葉を吐き捨てる度胸が、��今��の俺にはねぇ。
だけどなーー
「勘違いすんなヅラ。俺は俺の大切なモンを護る。高杉なんかの思い通りにさせてたまるかよ」
惚れた女を護るためなら。
Aの笑顔を護るためならーー
強い意思を胸に握り拳を強く作ると、ヅラが小さく笑みを零した。
「俺に提案がある」
ーーという、ヅラとのやり取りがあっての現在である。
話の中で高杉の関与を未然に防ぐためにしばらくはAを居候させようという結果に至った。
いやー、ね。
簡単に居候なんて言っちゃうけどさ。
「いつも気にかけてくれてありがとね、銀時」
寝起きのとろんとした目と着物の上からでもわかる身体のライン。
極め付けにちらりと見え隠れする胸元。
ーー目のやり場に困るじゃねーかァ！！
俺だって毛の生えた男だよ？！
Aの笑顔を護るためならーー
なーんて高潔で自尊心高めなこと言っちゃったけど俺だって漢だから！
中年間近のおっさんだって獣になるときだってあんだよ、息子の色慾だってまだまだ健在なんだよ！！
「…持つのか、俺の理性」
「ん？何か言った？」
「なんでもねーよ」
「 漢の理性 」
(今日から毎日我慢部屋だコノヤロー)
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宇治(プロフ) - 風寧さん» 風寧さん、こんにちは！宇治です。二度もコメントありがとうございます、嬉しいと言ってもらえてやる気滾ります。期待に応えられるよう頑張りますね！！これからもよろしくお願いします。 (2019年4月2日 18時) (
レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - アガシャさん» 初めまして、宇治です。コメントありがとうございます。話数もだいぶ迫ってきましたので、続編という形を取らせていただきました。頑張ります…！今後ともよろしくお願いします。 (2019年4月2日 17時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - 以前コメントさせて頂いた者です。続編のお知らせ、本当に嬉しいです！楽しみに待ってます！ (2019年4月2日 1時) (レス) id: 56908df3cc (このIDを非表示/違反報告)
アガシャ - 続編ですか！嬉しいです！頑張って下さい！ (2019年4月1日 14時) (レス) id: a554153f5f (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - 蓬さん» 初めまして、宇治です。嬉しいお言葉ありがとうございます。そう言ってもらえると、すこぶる執筆意欲が湧きます…！！今後の展開にご期待いただければ幸いです。ありがとうございました。 (2019年3月16日 20時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇治 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uji/
作成日時：2019年1月20日 14時
