黒い獣 ページ6
*
曇天の空に浮かぶ月を覆うように黒雲が纏っている。
雨でも降りそうな夜空を見つめ、酒を呑みながら三味線を嗜むと、
「晋助」
万斉から声がかかった。
「見つかったか」
「ああ、この女性でござろう」
確信を持った言葉とともに複数の写真が地に散らばった。
そこにはAの様々な表情が鮮明に写っている。
銀時やヅラとの繋がりを洗えばすぐに見つかるとは思っていた。
まァ俺が派手に動けば、幕府の犬が黙ってはいねェだろうと踏み万斉に任せたが…こんなにも早く見つかるとはな。
「クク…相変わらずアイツらも詰めが甘ェな」
そんなことで俺からAを護れるとでも?
くつりと嘲笑いながら、空を見上げる。
先ほどまで雲間を照らした月明かりも、今では漆黒の闇に飲まれていた。
嗚呼、どうやらかぐや姫は俺をも翻弄させるらしい。
雨の五月蝿い音がーーー獣を呼び覚ます。
「晋助、主は一体何を考えている?」
万斉の疑問にふと一枚の写真を手に取る。
ーー変わってねェな。
写真越しの優しい雰囲気も、愛しさ募る横顔も。
何一つ変わってねェ。
「ーー晋助、好きだよ」
アイツをこの手で、壊してやりたい。
俺に狂うほどの愛を、毎晩啼かせてやりたい。
その為にはーーー
「掻っ攫う他あるめェよ」
精々お姫様を護ってみせろよ?
「 黒い獣 」
(俺の中の黒い獣がのたうちまわるその時まで)
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宇治(プロフ) - 風寧さん» 風寧さん、こんにちは!宇治です。二度もコメントありがとうございます、嬉しいと言ってもらえてやる気滾ります。期待に応えられるよう頑張りますね!!これからもよろしくお願いします。 (2019年4月2日 18時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - アガシャさん» 初めまして、宇治です。コメントありがとうございます。話数もだいぶ迫ってきましたので、続編という形を取らせていただきました。頑張ります…!今後ともよろしくお願いします。 (2019年4月2日 17時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - 以前コメントさせて頂いた者です。続編のお知らせ、本当に嬉しいです!楽しみに待ってます! (2019年4月2日 1時) (レス) id: 56908df3cc (このIDを非表示/違反報告)
アガシャ - 続編ですか!嬉しいです!頑張って下さい! (2019年4月1日 14時) (レス) id: a554153f5f (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - 蓬さん» 初めまして、宇治です。嬉しいお言葉ありがとうございます。そう言ってもらえると、すこぶる執筆意欲が湧きます…!!今後の展開にご期待いただければ幸いです。ありがとうございました。 (2019年3月16日 20時) (レス) id: c046a70699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇治 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uji/
作成日時:2019年1月20日 14時