▫️俺は、御影玲王だ ページ23
*
幼少期からの俺の恋は、昨日呆気なく終わりを迎えた。
俺の瞳に映る目の前の色褪せた世界。
欲しいものが手に入らないなら、サッカーなんてどうでもいい。
もう全てがーーどうでもいい。
「レオ」
机に伏せて自暴自棄になっている俺を呼んだ声。
顔を上げると凪が目の前に立っていた。
「凪…」
「話がある」
場所を変えよう、と俺に声をかけて先を行く凪の姿に、なんとなく察しがついた。
行きたくない聞きたくないと心で駄々を捏ねながらも、仕方なしにその背中を鉛のように重い足取りでついて行った。
「…初めてだな。お前が俺の教室に来るなんて」
「俺とレオにとって大事な話があったから」
たわいも無い話をしながら、俺たちは屋上に出る。
扉を開けた瞬間、肌を撫でる微風と雲ひとつない快晴の空が視界に入った。
どこまでも広がるその青を見て少しだけ気持ちが落ち着いたような気がする。
「俺、レオの気持ちがわかったよ」
白髪の髪をふわふわと靡かせ、空を見上げながら凪は何かを決心したようだった。
「俺…Aにはずっと笑ってて欲しいんだ」
「凪…お前……」
「人を好きになるって、こういう気持ちなんだね」
凪がこんなにも人のことを想って行動することはあったか？
わざわざ俺の元に来てあいつの話を持ちかけてくるほどの行動力を示すことなんて、今まで一度もなかった。
なかったのにーー
「俺にとってレオも大切だからさ。俺の気持ち伝えておくべきだと思ったんだ」
ーーそんな目で見るなよ。
お前はそんなタイプじゃなかっただろ。
めんどくさいが口癖で俺の世話を満更でもなく受け入れていた凪誠士郎はどこに行ったんだよ。
なんで……そんな真っ直ぐな目をしてんだよ。
潔い凪の告白に怒りすら湧かなかった。
怒りどころか身体の力がふっと軽くなった気がして。
「……俺は振られたんだ。お前がどうしようと俺には関係ねぇよ」
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宇治(プロフ) - いのりさん» いのりさん、ご無沙汰しております♪お優しいお心遣い感謝です(泣)励みになります…まさかこんなにスランプに陥ると思っていませんでした…。凪くん楽しく執筆させていただきますね！ありがとうございます♪ (2023年2月17日 13時) (
レス) id: 7205c6bdcb (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - 宇治さん！こんにちは！スランプって大変ですよね…。ゆっくり宇治さんのペースで大丈夫ですよ！応援してます♡ (2023年2月17日 7時) (レス) @page26 id: 61b0845b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇治 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uji/
作成日時：2023年1月28日 17時
