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もっと早く会社が変わっていればユウヤと別れなかったのかな？
なんて一瞬思ったけど、元々私のことなんてそんなに愛してなかったんだからどっちにしても結果は変わらなかったよね。
そんな考えがよぎったらまた胃がキリキリと痛み出した。
亮平「A？どうした？」
「ううん、なんでもない」
いつまでも終わったことを気にしてたらダメだ。
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辰哉「ねー次あそこ行かね？ボーリングとかゲーセンとかあるとこ」
翔太「対戦しようぜ！」
ユミ「辰哉先輩、ゲーセン行きたいだけでしょ？」
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ボーリングは2チームに分かれて負けた方がアイスを奢ることになり、
辰哉先輩・蓮くん・私
翔太・ユミ・亮平・ラウ
の組み分けとなった。
順番待ちをしていると隣に辰哉先輩がきて
辰哉「ねぇ、なんかあった？」
「なんかって？」
辰哉「阿部ちゃんとお前。なんか空気違うんだよな。
・・・康二ともいつもあんな感じ？」
この人は何にも見てないようで周りをよく見てる。
少しの変化でもバレてしまう。
「何も・・・ないですよ？」
辰哉「・・・。
そうかぁ？ならいーんだけど」
その何もかも知ってますかのような目が怖い。
蓮「ふっかさん、次ですよ」
「おぅ」と言って私の頭をぽんぽんとして立ち上がり、辰哉先輩は見事なガーターを出してみんなを笑わせてた。
蓮「ふっかさんてすごい人ですよね」
「そうだね」
いつも辰哉先輩は周りの雰囲気を感じ取っては、その場を和ませてくれる。
何かあったときは誰よりも気づくし、寄り添ってくれる。
仕事でもプライベートでも頼りになる先輩だ。
当然、めちゃくちゃモテる。
でも、特定の人は作らない。
大学時代からそうだった。
辰哉「次、A」
辰哉先輩には高い壁が、ある。
決して超えられない壁が。
人の懐に気づくと入ってるが、自分の懐には踏み込ませないものがある。
大抵の人はそれに気づいてないけれど。
だからといって心を許せない人ではない。
—————-不思議な、人。
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作者名：kazu | 作成日時：2023年2月8日 16時
