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夢を見た。
悲しくて、悲しくて泣いていた。
ひとりで辛くて、悲しくて。
泣いていた私を誰かが抱きしめてくれて、涙を拭ってくれて、頭を優しく撫でた。
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————そこで目が覚めた。
何の夢か全然覚えてないけれど、撫でてくれたその手がとても暖かかったことだけは覚えていた。
あれは誰だったんだろう。すごく落ち着く優しい手だったな。
また夢の中で会えるかな・・・。
隣で寝ていたリンを抱きしめ、もふもふの毛に顔を埋めた。
それからまたちょっと眠ってしまったみたいで時計を見ると夕方だった。
・・・なんか、ここへきてから寝てばっかだな、私。
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明日のバーベキュー何するか決めたかな？カフェに行って涼太くんに聞いてみた。
照に言って、肉と新鮮な魚介用意してもらうことになってるよと言うから、じゃあ何作るー？と聞いたら
「俺も聞こうと思って家行こうとしたら康二がAちゃんお昼寝してるって言ってたからやめたんだよ」
「お休みのせいかこっち来てから寝てばっかなんだよね」
「お休みなんだからゆっくり休めばいいんだよ」
「ん、そうする。明日はカフェどうするの？」
「バーベキューの準備したいし休みにするよ」
「いいの？てか、カフェの定休日って決まってるの？」
「ううん、不定期。常連さんが多いから前日に休むって言えば大体問題ない(笑)」
「そうなんだ。そういえば康二くんは？」
「裏の倉庫にいると思うよ」
倉庫に行くと康二くんが作業をしていた。
「康二くん」
「Aちゃん、どしたー？」
「うわ、すごい豆の種類あるんだね」
棚には色んな種類の豆が置いてあって、前から気になってた豆が棚の上の方にあった。
手に取ろうと思ったら、後少しのところで届かない。
「これ？」
後ろにいた康二くんが手を伸ばして取ってくれた。
「ありがと」と後ろを振り返ると、意外と近くに康二くんがいて少しびっくりした。
康二くんを見上げると「Aちゃん・・・」何か言いかけた所で「康二ー、オーダー入ったよー」と涼太くんの声がしてハッとして「あとでな」と私の頭をぽんとして戻って行った。
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気になってた豆を自分でいれて飲んでみたが、康二くんが入れてくれるコーヒーとは全然違って美味しくなかった。
「にが・・・」
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作者名：kazu | 作成日時：2023年2月8日 16時
