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「本当にいいの?」
「涼太くんも、朝早いでしょ?」
「じゃあ、お言葉に甘えて。Aまたな」
「うん、今日はありがと。おやすみなさい。大ちゃんもおやすみ」
「またくるねー、おやすみーー」
照と大ちゃんを玄関までお見送りして、各々休んでもらった。
.
ようやく片付けも終わり、余ったワインを持ってウッドデッキへ出た。
なんか、すごい数日だったな。
ユウヤのこと、忙しさにかまけていたツケが回ったのかな?
自業自得って。私が悪いと思う反面、あんな裏切り方されたのかって情けないのと、憤りと、ぐちゃぐちゃになる。
笑ってないと。強がってでも背筋を伸ばさないとあっという間に惨めになって、それに飲み込まれてしまう。
逃げたい。
私の悪い癖。
でも、まだ、もうちょっと。
大丈夫になるまで時間がほしい。
ちょっと、飲みすぎたかな。
「はぁぁぁ・・・」
「眠れんの?」
「康二くん・・・どうしたの?」
ブランケットを持った康二くんが隣に座った。
「まだ電気ついてるし、
・・・Aちゃん、今日一日ずっと泣きそうな顔してんで?」
「え・・・?」
「辛いなら、辛い言うたほうでええで?
肩ぐらい、いつでも貸すで?」
「理由・・・聞かないんだね」
「聞かんでもいいやろ。話したくなったら話せばいいんやし。
いつでも聞くで?」
「ありがとう」
「ほら、冷えるから」
持っていたブランケットに2人で包まって、康二くんの肩を借りた。
酔いもあって少しだけ泣いてしまいそうになったが、どうにか堪えた。
「星が綺麗だね。波の音も落ち着く」
「ん」
「あったかい・・・」
「康二くん」
「ん?」
「ありがとう・・・」
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作者名:kazu | 作成日時:2023年2月8日 16時