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龍樹side



「久しぶり」



そいつとの再会は偶然だった。



「なんでお前がここに」



「君の背中を押しにきたんだ」



「真桜は」


そいつが俺の元恋人の名前を出した。



とっさに耳を塞ぎたくなる。



そいつの声で彼女の名前を聞きたくなくて。




でも無情にもそいつの声は俺の耳に届いた。




「元気にやってるよ。



君なんていなくても。




だけど。


それが彼女の本音かどうかは知らない。



知っていても教えるつもりもない。



ただ、言うだけだ。



いけよ、戸村。



真桜のところに行け。




そして2度と、真桜を僕に手の届くところに連れてこないでくれ。」




毅然としたその声は、強かった。




俺が欲しいと強く望んだ力。



神田は、俺に背を向けた。




強く見えていたのに、神田が立っていた場所には小さな水たまりがあった。




五分もしたら無くなりそうなほどの、水たまりが。




「なあ。」




誰にと言うわけではなくつぶやく。




「なんでだろうな。なんで。




あいつじゃなくて俺なんだろうな。」




あいつは俺に頼りたくなかったはずだ。



真桜を、俺に託したくはなかったはずだ。



なのにここにきて、雨を降らせて帰って行った。



俺なんだ。





あいつが真桜を託したのは俺なんだ。









覚悟を決めろ。




前に踏み出せ。




逃げちゃダメだ。









俺は桜を見にいくんだ。




願いが叶って咲く桜を。

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設定タグ:恋愛 , ヤンキー , 幼馴染   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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かぷりちお - コメントありがとうございます!亀更新ですが、完結は必ずしますので、気長に読んでくださると嬉しいです! (2018年8月24日 2時) (レス) id: 0810d4d9bb (このIDを非表示/違反報告)
G - 続き気になる (2018年8月22日 16時) (レス) id: cad32de435 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - 続き書かれる予定はありますか、、、?設定が面白いので思わず読み入ってしまいました笑 (2018年8月22日 11時) (レス) id: 5cff57e74b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かぷりちお | 作成日時:2018年6月27日 19時

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