9話 ページ11
一松side
あれは5年前の事
僕がまだ紫紺堂の店主になって間も無い頃だ
それでも僕は祓う力がすごく強くてさ....
結構奉公人にさせてくれってわざわざ浮世からくる奴らもいてさ
さすがにそのまま返すのもかわいそうだなって思って
1人3日づつ奉公人をやらせてどれだけ大変かをわからせて帰していた
そんなある日に猫又が1人きたんだ
綺麗な毛並みをしてて妖力も強くておまけに僕との相性も抜群
そいつを僕のパートナーにした
そして2年の月日が流れて
僕達は有名な祓い屋になった
その時祓い屋潰しっていうのがいて
それに狙われないようにしないとなって
言いながら家の整理をしてた
そしたら薬草がいくつかなくなってることに気づいて
急いでたからそいつに留守番を頼んで隣町まで行って帰って来たんだ
そしたら家はめちゃくちゃに壊されていた
落とした薬草を拾いもせずに必死でそいつを探した
名前を呼んで
あいつの名前
「鏡夜」
鏡夜を見つけて急いで傷を治そうとした
でも鏡夜はそれを手で止めてもう無理だと言った
その代わり俺には弟がいるって
「黄昏」って書いて「スズ」って読むんだって
そいつがもしここに来たらお前の名前は「スズ」だって言って欲しいと言われた
でもそれは二回目
一回目来たらあいつの俺に関する記憶を消してくれと言われた
鏡夜の言う通りにするから
だから行かないでって俺は喚いた
でも鏡夜はごめん、スズをよろしくって言って
最後の力を振り絞って自分の姿を三味線に変えた
そして僕は考えた
どうして
どうしてこうなった?
なんで出かける時霧を出さなかった?
どうして連れて行かなかった?
殺したのは誰だ?
祓い屋潰しか?
違うそうじゃない
殺したのはまぎれも無い
「僕」じゃないか。
僕はその後黄昏の記憶を消した
鏡夜を知る僕以外の人間の記憶を消した
鏡夜を消した
僕が
鏡夜を
殺したんだ
ほらまた今日も
僕が相棒を殺したのを知らずに
みんなみんな
奉公人奉公人って
もううんざりだ
もう
誰も_______________。
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作者名:神変 | 作成日時:2016年5月24日 17時