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ある程度拭いてからスーツの上着を脱がせて、勝手に着替えてもらってから部屋に上げる。


「お風呂もう少しで沸くから、もう少し大人しくしてて」

「あーい」


リビングに座ってテレビを見始める蘭。
人が来るならもっとちゃんと片付けたのに、なんて思いながらもテレビを見つめる蘭の後ろ姿を見ていた。


どうせこの調子だと少なくとも夕食食べてから帰るつもりでいるんだろうし、と思いキッチンに。
何がいいかな……冷蔵庫にひき肉あるしハンバーグかな……



「蘭〜、夕食ハンバーグでいい?」

「お前って彼氏いたっけ?」

「はぁ?」


なんの脈絡もなしに変なことを聞いてくるし、質問にも答えない蘭にびっくりして後ろを振り向くと、あと一歩というところに蘭は立っていた。少し前までリビングで座っていた彼が急に近付いてきたことに緊張が走る。



「この服誰の?」


蘭は私の貸した白いシャツの裾を、シュッとした綺麗な指で持ち上げながら聞いてくる。笑ってはいるのにどこか不満という意思が滲み出ている表情。


「サイズ合ってなかった?」

「そうじゃねぇよ」



サイズが合ってなくて不満なのかと思ったが、そういう訳じゃないらしい。一体何がそんなに嫌なんだ。


「彼氏いねぇよな、お前」

「え、あぁ、いないけど。え、嫌味言いに来たの?」

「じゃあ、この服誰の?」

「あ、それお兄ちゃんの」

「はァ?」

「何その顔」



さっきまでとにかく不機嫌そうな目をしていた癖に、それを聞いた瞬間、ぱちぱちと瞬きして「はぁ〜?お前ほんとに〜」と言いながら頭を抱えてその場にしゃがみ込んでしまった。

「オレ、めちゃくちゃ恥ずかしいじゃん……」と呟きながら顔を抑える蘭の姿に正直何が起こったのか、彼がどうしてこうなったのかが全く分からずに困惑する。


「ちょっと、急に何?」

「なんでもねーよ」


手で覆い被せている顔はちょっとだけ口元が見えていて、傍から見れば口角がほんのり上がっているように見えた気がした。

この男は本っ当に、何がしたいのか全く理解ができない。

■→←■ Haitani Ran



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Alice(プロフ) - きなこだいふくさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました…!そんな風に言っていただけて嬉しい限りです…!続編を作るかもしれないので、もし作った際はぜひよろしくお願い致します♡ (2022年4月2日 17時) (レス) id: fa28fe383f (このIDを非表示/違反報告)
きなこだいふく(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白い話がたくさんあり、私自身とても楽しく読み進めることができました。こんな神作をありがとうございます!そして、更新お疲れ様でした! (2022年4月2日 11時) (レス) @page46 id: 90c5be706c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Alice | 作成日時:2021年9月19日 20時

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