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「清光...お前はどうしたい?封印された俺を殺すと同時に、死ぬはずだった人たちを守るか。封印された俺を救い、死ぬはずだった人たちを守るか。...歴史通りに死ぬべき人を死なせるか。」

その言葉は呪いだ。主と共に歴史を守ってきた俺たちにとって、この選択肢は苦しいものだ。

加州清光「俺は...」

何も考えたくない...全てを捨てて逃げたい。

加州清光「...無理だ。これ以上悩ませないでほしい。」

「...わかった。俺は俺一人で戦うよ。」

加州清光「...一人で...?」

「みんな話し合って、みんな俺を殺そうと決意したんだ。レグルスもそう決断する頃だろう。その考えを邪魔したくないから、俺は人が少ないこの店を選んだ。」

加州清光「最愛の親友の店...お前がそうなんだろ?何でこの人を...」

七海「...それが親友の願いだから、かしら。私にもわからないわ。」

「お前に教えることがもう一つある。文豪である俺たちがお前らに接触した時点で、もう歴史は変えてあるんだよ。」

加州清光「...!?」

「これも俺が考えたことだ。刀剣たちにだって慈悲はあるだろう?一人ぐらい救ったって歴史は変わらない...その考えを抱かせ、俺自身を守らせる。刀剣たちも徐々にその考えに支配されているはずだ。」

救わなくたって後悔はしない。だって、そういう歴史なんだから...

加州清光「支配されない...俺たちは絶対に...!」

「俺のところに来てくれる...そう信じているからな。頼んだぞ。」

そういう歴史...なのに...

加州清光「...珈琲、美味しかった。」

七海「お代は不要よ。...あーあ...私もあの子についていけばよかったかなぁ。あの子を殺し、あの子を悲しませてるのは...やっぱり私たちじゃない。」

加州清光「もう間に合わない...もう何もできない...」



彼が、彼女が誰よりも泣いていることを

誰も知らない。

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作者名:琲世 | 作成日時:2020年9月25日 12時

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