帝国占領篇:相手は存在してなかった ページ40
空気がほしい。とにかく
人工呼吸のものを渡された日から、捕まったあの日もずっと握りしめていた。護送車の中は恐ろしいほど吐き気しかしない
細川「星の病...こんな汚い空気なんて要らない...」
シェーヌ「吸っても害はない。それより侵入者を探さなければならない」
細川「敵だったら...牢獄に逆戻りかしら...」
シェーヌ「絶対に味方だ。俺を信じるといい」
明智家当主になり、シェーヌだけが私の味方でいてくれていた
他は逃げたから
マリア「あら...」
細川「あの女のメイド...」
こいつは敵だ。あの女が生きてる限り、敵としか見れない
細川「あの女は私が殺すから」
マリア「...何かを知っておられるのですか?琲世様の意思がまだこの世にあるんですか!?」
細川「なにと勘違いしてるの。私女自身を殺したいと思っているの」
マリア「そう...でしたか...そうですか。そうですよね」
細川「...何が云いたいの」
マリア「琲世様は、帝国に取り残されたお二人を迎えにいくことを考えに入れてました。ご主人様のご意向に従い、メイドの私が責任を持って、お二人を向こうの牢獄にお送りします」
牢獄送りは予想していた。でもこいつの返答が何処かおかしい
シェーヌ「何処かすれ違ってるようだが?あの幸せ者は何処だ」
マリア「お亡くなりになられました」
シェーヌ「理由は?」
マリア「我々に殺せと命じた為。江戸があの邪悪な意思に滅ぼされる前に、我ら友人は命を聞き入れました。」
シェーヌ「...やっぱり幸せ者だな。そうやって助けてもらえるんだから」
マリア「次それを云えば、琲世様の知り合いとはいえ容赦はしません。あの人は幸せと不幸に苦しまされた者です」
なんて贅沢な苦しみ。
細川「知らないわよ。出口を教えなさい」
マリア「わかりません。途中で落ちてしまいましたから」
細川「え」
マリア「なので共に来てください」
細川「...出口ぐらい知っておきなさいよ。使えないわね」
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作者名:琲世 | 作成日時:2019年8月18日 20時