夢を忘れた少女 (ページ8)

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私はだいたいの日を歩いて通学する。

雨が降っていない時は家の人たちが渋々了承してくれる。

「后月家のお嬢様を一人出歩かせるなんてとんでも無い。」そういうヤツもいたが今はもう説得した。

家じゃ確実に自分一人になれる時間がとれないので私唯一の至福の時間なのだ。
(部屋なら一人だけどすぐ誰か来るからね。)

そして私は人気の少ない路地に進む。

極力ここは通りたくないが家に帰るにはこの道を通るしかない。

あとは………后月家が管理している后月家へ続いている車専用道路くらいか。

つまり車に乗っているならあっという間に着くが歩いていたらなかなか着かないのである。

(まあここも后月家の敷地だけどね・・・！)

屋敷の敷地ではないが后月家所有の土地である事は確かだ。

しかしここを通らぬ限り家に着かないので仕方なく進んでいく。

進んでいくうちに変な音が聞こえた。

パキンッ

何かが割れたのか？最初はそう思っていたのだがすぐに違うと理解した。

ついでに死も理解した。

「なにここ・・・？」

私は目を丸くすることしか出来ない。

ここは明らかに私が住む世界とは異なっていた。

「ギシャアアアアアッ」

大型の化け物が襲ってくる。

蘇ってくるのは最悪な記憶。

友達と思って子たちが死んでいく姿。

「いやあああああああっ」

死ぬ・・・！

まだ死ねないのに・・・！

大型の化け物は私に向かって大きな腕をふりおろしてくる。

私は死を覚悟した。

「ズバアアアアアアアアアアン」

「……＿＿え？」