夢を忘れた少女 (ページ18)

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護れる、もの。

何故だろうか。

その短い言葉は私の心に酷く響いた。

目頭が熱い。

きっと私は泣いてるのだろう。

その証拠に彼は私を見てぎょっとしていた。

「おま・・・・は？」

泣いている事を自覚し、急いで涙を袖で拭う。

たった一言。たった一言彼に言った。

「ごめん」と。

道場に行くまでの短い短いやり取り。

きっと一生忘れないだろうというくらいに私の心に突き刺さっている。

だって、人前で泣いたの、初めてだったし。

恥ずかしさともどかしさで、私の頭はパンパンだった。

コイツに見せてしまった涙をどうにかしたい。

そして、何事も無かったかのように彼は修行すると言ってきた。

陰陽師になるなんて興味ないし、やる気もないけど取り合えずその誘い？に乗った。

そういうやり取りで始まったのが・・・

「うわっ・・・地味・・・」

うっかり余計な言葉を漏らしてしまった。

「それ基本中の基本だからな。俺も昔やった。」

いやー。でもさあ。

「水面覗くだけって超地味。実戦的な事やると思ってたのに。」

実戦的な事がなんなのか私は知らないが。

しかも私の回りに水色のオーラ？のようなものが見える。

「ま、オーラみたいなのが見えたら言えよ。話はそっからだな。」

「水面覗いた瞬間から見えてたけど。」

「・・・お前霊感強いワケ？」