夢を忘れた少女 (ページ17)

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「きゃううううううっ」

いきなり心の準備もなしに門答無用でつれだされた外はすごく明るかった。

目が潰れてしまいそうなくらいに。

「耳元でうるせえぞ。ギャーギャーわめくな。んん？」

私はいらっときて天馬を睨む。

「何よ！いきなり外に出したのはあなたじゃない！それに耳元でうるさくされたくないなら下ろして！」

肩に担がれてる状態なのにどうやって耳元で騒ぐなと言うのだろうか。

無理に決まっている。

「お前が修行サボろうとするからだろ。お前が強くなんねーと帰れないんだ。」

ひっどい。

私は誰にも聞こえない声でぽそっと呟く。

しかし彼にはバッチリ聞こえてたらしい。

「俺だって好きでこんなことやってんじゃねえんだよ。んん？」

「別に私、修行付けてなんて一言も言ってないし。」

そう。事が勝手に進んでいただけなのだ。

そこに私の意思はない。

「・・・それに、人を護る資格なんて、私には無いから。」

あの日、護りきれなかったあの子たちを思い出す。

あんな事になるならやりたくない。

陰陽師についての説明を叔母さんに聞いた時に思った。

「護りきれねえものもあるがなあ、逆に護れるものもあんだよ。」

天馬は呆れきった声で言う。

彼の言葉が私の何かを付き動かした気がした。

護れる、もの。