夢を忘れた少女 (ページ14)

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「おは・・・叔母さん？！」

朝起きて必ず襲ってくる眠気と戦っていたが一気にどっかに吹っ飛んだ。

私の目に映るのは叔母さんと・・・

天馬。

「おはよう。胡蝶ちゃん。」

叔母さんはいつもどうり笑っている。だが行動がいつもどうりじゃないという。

叔母さんは現在、天馬の肩を揉んでいる状態なのだ・・・

「ようやく起きたのか。んん？」

入り口付近で呆然としている私を見かねたのか天馬が声をかけてくる。

今日の笑いはやはり人を見下したような笑いだ。

昨日の笑顔はどこ行ったんだか。

呆気に取られてツッコミをいれるのを忘れていた。

そして正気に戻った私は急いで叔母さんを止めにいった。

「ちょ、叔母さんなにやってるの？相手二十歳にもなってない子供だよ？！」

けれど叔母さんの笑顔は崩れない。

「いいのよ。これが当たり前。だからね。」

意味不明。

私は叔母さんの言っている事がよく分からなかった。

だって私の目には彼は偉そうな人にしか見えないから。

「あ、やだ。もうこんな時間。ごめんなさいね。もう行かないと。」

腕時計を確認した後、叔母さんは足早に去っていく。

よほど忙しいのだろう。今何でここにいたのか不思議なくらいだったし。

「お前の叔母さんザ仕事人間だな。」

「そう？そうだ天馬。昨日はよく寝れた？」

「ああ～。おかげさまで。」

「良かった。」

などなど短い会話を済ませ私も朝食を食べ始める。

最後に朝食を取ったのはいつだったか、と考えながら。

ちなみに天馬は后月家の使用人たちの厚意で泊まっていた。

彼は今日にでも島？という所に帰ろうとしていたが、私がその事をよく分かっていなかったので陰陽術？っていうのを教えてもらうことになった。

後から聞いたのだが后月家は陰陽師の名門らしい。

后月家の事がもうよく分からなくなってしまったのは言うまでも無いだろう。