夢を忘れた少女 (ページ2)

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鵜宮天馬は自室で一枚の写真を見ていた。
(漢字違うのは気にしないで。)

その写真には天馬ともうひとり、女の子が写っている。

これでもか、というほど夢と希望に満ち溢れた目をしている。

水色の清んだ目をした子。

その目はとてもキレイで一点の汚れもない目。

でも、きっとこの女の子は笑ってはいないだろう。

あの日起きた悲しい事件がきっかけで。

「もう何年も会ってねえけどさ……お前、今絶対わらってねえだろ………？」

天馬は悲しそうに、何かを哀れむような目を写真に写る少女に向けた。

そして、その少女に指をそっとのせる。

月明かりに照らされながら、オッドアイの瞳を閉じる。

普段の彼らしくもない行動は事態の深刻さを訴えかけてくる。

お前は今、夢を見ようとしているか……？

笑おうとしているか……？

そう考えた後、鵜宮天馬は閉じていた瞳を開き、もう一度写真を見た。

そして、そっと呟いた。

「護ってやれなくてすまなかった。」

彼の呟きは懇願にすら似ている呟きだった。

次会ったとき、俺はアイツに何と言えば良いだろうか。

そもそも生きて彼女と再会出来るだろうか。

助けてほしいと彼女は思っていないだろうか。

鵜宮天馬は頭から離れない少女の事を考えていた。

ずっと。