3話 偉人へ 1 ページ5
大きな建物方へ向かう私たち。
「あの…チャーリーさん？ここは…」
「教科書に載るくらい有名なところだよ。」
私ははっと思い出したかのように口を開いた。
「鹿鳴館…」
「Aちゃんあたり」
そう、チャーリーさんが言うと芽衣さんは「まさかね…」と小声で言った。
「じゃ、侵入しようか。」
「「え？」」
私達は声を揃えるほど、チャーリーさんの言葉に耳を疑った。
「無理よ！侵入なんて…」
「わ、私も同意見です！」
私たちがそう言うと、チャーリーさんはニヤリと笑いながら言い始めた。
「中には、ローストビーフや美味しいスウィーツがあるのに…」
それを聞いた私達は、渋々と鹿鳴館に歩き始めた。
(私のバカ！甘いものに目がなさすぎるでしょ)
入口には警備員さんがいたけど、チャーリーさんの華麗なマジックにより通過することができた。
中に入ると、優雅なメロディーが聞こえてきた。
「わぁ、素敵なところ！ねぇ、芽衣さ…きゃっ！」
私は芽衣さんに近づこうとした瞬間足がもつれて、転びそうになった。
だけど、誰かが私を支えるように助けてくれた。
「大丈夫かい？」
「あ、はい。ありがとうございます。」
赤髪で、気品溢れる男性がどうやら助けてくれたみたい。
「Aちゃん。怪我ない？大丈夫？」
「うん。ありがとう芽衣さん」
芽衣さんも心配して近くまで来てくれた。
(申し訳ないなぁ…)
「鴎外さん、なにしているんですか？」
学生服を来た少年がこちらに来た。
(ん？鴎外って、あの明治の偉人の？！)
「勝手にいなくならないで下さい。こんなとこれに放置されても困ります。」
鴎外さん？は、"あぁ、すまないな春草"と行って少年を宥めた。
(…春草？！私が大好きな画家の人だよ。まさかこんなところで…)
どうやら、春草さん？は、絵の題材を探してたらしく、ここでは見つからないらしい。
それにしても、これが本物の菱田春草ならぜひお話したい。
私は、明治の洋画家では高橋由一や原田直次郎
、日本画家では菱田春草や横山大観あたりが好きで好きでたまらない。
彼の絵には、何かを語りかけるような感じで実に私好みである。
一つ一つの繊細なタッチ、事細かな着色。
全て参考になる。
(うーん。こんなところで画家の絵心をくすぐられるとは思わなかったなぁ…)
聞きたいことが山ほどあるが、どうやら春草さんはここにいたくないらしく、さっさといなくなってしまった。
それにつられて、鴎外さんもいなくなってしまった。
「まさか偉人に会うなんて…ふふふ」
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作者名：めろんぷぁん | 作成日時：2015年8月10日 1時
