4話 偉人へ2 ページ6
鴎外さんたちと別れると、再びチャーリーさんが現れた。
「有名人に会ったね。」
チャーリーさんがそう言うと、芽衣さんは頭に？を浮かべていた。
「さっきの人は森林太郎…と言うより森鴎外と言った方がわかるかな？で、彼の側にいた学生は菱田春草。日本画家で有名人だね。」
チャーリーさんがそう説明すると芽衣さんは�猜垢い燭海箸呂△覘瓩氾�えた。
(やっぱり本物の菱田春草なんだ…。あ…話したかったなぁ。)
「今夜のパーティーはすごい顔ぶれを揃えているようだね。あ、あそこの学生は幻想作家の泉鏡花だ。」
チャーリーさんの説明を聞いてその学生さんを見た。
(泉鏡花…。聞いたことはあるけどあまり詳しくない。)
文系はあんまり詳しくない私はあまりピンとこなかった。
彼を見てると、肩に何か可愛らしいものを乗せていた。
(うさぎ…？可愛らしいなぁ…)
しばらく見てると鏡花さんは話し始めた。
「どいつもこいつも、よくこんな不衛生な場所で食事できるよね」
可愛らしい見た目には反対にとんでもない毒舌に、私は混乱してしまった。
「パーティーなんて雑菌の温床だよ…だから来たくなかったんだ。」
文句を言うと鏡花さんの近くにかっこいい男性がやってきた。
(わぁ…美形さんだなぁ…。そこにいるだけで華がある)
「おや？鏡花ちゃんじゃねぇか」
「なーんだ、川上か」
川上と呼ばれる男性は、少し残念そうな顔をして
「なんだよ、冷てぇ奴だな。唯一の友人に」
と言った。
「はぁ？僕をちゃんづけて呼ぶ奴なんて、友人にした覚えはないよっ」
なんてきつい言い方をするんだと思うけど、川上さんは愉快そうに笑っていた。
「あら、笑った顔も素敵だわってところかな？」
「「！？」」
突然喋りかけられて驚くと同時に、自分が思っていたことを当てられてびっくりした。
「ちゃ、チャーリーさん？」
「うんうん。見とれるも無理ないよ。彼は川上音二郎って言ってね、新進気鋭の若手俳優なんだ。」
(あ、道理でかっこいいうえに華があるんだ。)
私はすぐに納得してしまった。
この時代に来て僅かだけど、まさかこんなに偉人に会えるとは思いもよらなかった。
最初の不安が嘘のように無くなり、どちらかと言うと楽しくてしょうがない。
また、キャンパスに一つ色を加えたような喜びに満ち溢れてきた…
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作者名：めろんぷぁん | 作成日時：2015年8月10日 1時
