You and me...

意外な一面-YS ページ40

Aは。
ﾄｩｷﾞﾋｮﾝを前にして明らかに浮かれているようだった。


まぁ無理もないけどさ。
顔が赤いのはビールのせいだけじゃないな、きっと。
俺はウーロン茶をすきっ腹に流し込む。
当然だけど、全然酔わない。


「あの！わ、私・・・ｲﾄｩｸさんが歌う『愛がこうして』大好きなんです！」

LT「うそホント？！僕もあの歌大好き！！
でもあの内容、ちょっと女の子からしたら女々しくない？」

「全然！あんな風に男の人に思われてみたいです〜！」


「愛がこうして」、か。
あれは俺も好きな歌のひとつだ。
曲は優しげで明るいイメージだけど・・・歌詞は切ないんだよな。


Aがその歌を好きだなんて意外だ。
というか、SJのファン・・・なのか。


「あとは『It's You』も大好きだし・・・」

YS「ふぅん・・・知らなかったな。Aが俺たちの歌に詳しいなんて」

「何言ってるの。私はｼﾞｮﾝｳﾝがSJとしてデビューしてから、ずっとSJのファンなんだよ＾＾」

YS「・・・そ、そうか」


さらっとすごいこと言ってくれるな。
Aのやつ、もしかしてもう酔ってるんじゃないのか？


向かいのﾄｩｷﾞﾋｮﾝがニコニコ・・・いや、ニヤニヤしながら俺を見ていた。
な、なんだよその顔は。ちょっとむかつく・・・。


居心地が悪くなってきた頃に、ちょうど注文していた料理が運ばれてきて。
俺はそれに救われた気分だった。


＊


「お二人は今日、お仕事だったんですよね？」

LT「そっ。もうすぐ新作のアルバムが出るからねーその番宣のテレビ出演＾＾」

「そうなんですね。二人ともお疲れ様でした」

YS「ああ、そういえば。A、こっちで仕事決まったって言ってたな？」

「あ、そうなの！今日面接受けて、その場で採用してもらったの！」

LT「へぇ。どんなお仕事？」


それそれ。俺も知りたかった。


「ヨガ講師です＾＾日本でも3年くらいかな？やっていたので」

YS「ヨガ・・・」

LT「へぇぇ。なんか意外だなぁ〜」


意外どころじゃない。
俺の知っているAは・・・もっと病弱というか。
そんな健康的なイメージじゃなくて。


驚いた俺を見て、すっきりとした笑顔を向けるA。


ここにも確実に。
Aに10年の月日が流れていたのを感じた。

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