You and me...

危なっかしい妹-YS ページ20

なんだか・・・落ち着かない。
俺は車のキーをくるりと指ではじいて、またジャケットのポケットにしまう。
置いてきた車まで少し距離があった。


YS「何考えてるんだ・・・こんな時間に女一人でふらふらするつもりだったなんて」


10年ぶりに幼馴染みに会えたというのに。
俺・・・イラついている？
でも仕方ないじゃないか。


髪をきれいな茶色に染めたAも。
化粧をしているAも。
初めて見る―彼女の顔だった。


そりゃそうだよな・・・。
10年前はガキだった俺たちも―もう27で。大人になったんだもんな。


久しぶりに会ったAは。
きれいに・・・なったと思った。


でもだからこそ、俺は彼女の軽率さにイライラしていた。
昔からAは、おてんばというわけではないが―
どこかこういう無茶をするところがあるんだよな。
ｼﾞｮﾝｼﾞﾝが彼女を見つけてくれて良かった。


YS「ホントに・・・世話のやけるやつだ」


そう言う反面。
Aにまだ妹っぽいところが残っていて、俺は心のどこかで安心もしていた。
彼女の前で。まだ兄として存在できるのではないかって。


俺。すっかりAに振り回されてるな。
だけどなんだかそれすらも懐かしい気がした。


YS「さて。もうこんな時間か・・・」


ようやくたどり着いた駐車場。
車のエンジンをかけて、俺は1本だけ煙草を吸った。
Aとｼﾞｮﾝｼﾞﾝを拾う前に、少しだけこの中を暖かくしてやりたい。


＊


「ねぇ、ｼﾞｮﾝｳﾝ。・・・怒ってる？」

YS「んーー」

「ご、ごめんね？」


Aが運転中の俺の機嫌を取るように、横から声をかける。


YS「Aは・・・自分が女の子だって自覚がなさすぎだ。もうこんな無茶しちゃだめだぞ？」

「はい・・・」


しゅんとするA。
ちょっとぶっきらぼうに言い過ぎたか。
でもホントにこれだけは気をつけてもらわないと困る。


「兄さん、そのへんにしておきなよ。せっかくﾇﾅと会えたんだしさ＾＾」

YS「ｼﾞｮﾝｼﾞﾝ。昔からお前はAに甘いな・・・」

「だって僕、弟だし。それに甘いとか兄さんに言われたくないよね(笑)
自分こそﾇﾅを甘やかしてばっかだったくせに」

「な、なによ。なんなのよ〜二人して〜！」


Aが俺の横で騒ぎ出した。


ああ、なんか。
この感じ―ホントに久しぶりだ。

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