妹-YS ページ12
「そうそう。兄さん聞いた?」
YS「んーー?」
俺のために夕飯を盛ってるジョンジン。
リビングに腰を下ろした俺はよちよちやって来たコミンに手を差し伸べた。
ジョンジンが鍋の残りとチャプチェを持ってくる。
美味そうだ。
「Aヌナさ、韓国に戻ってくるらしいよ」
YS「・・・Aが?」
「うん。母さんがチョンアンのおばさんから聞いたって。
ほら、去年おじさんさ。病気で亡くなったじゃない?」
YS「あーそうだったな」
そういえば、去年はそんなことがあった。
俺は仕事で抜けられなくて―チョンアンで行われた葬式にも参列できなかったんだ。
なんともいえない気分になって、俺はコミンを膝の上で抱きかかえた。
YS「戻ってくるってチョンアンにか?」
「んーどうだろ。仕事を探さなきゃいけないみたいだからさ。
そうなるとソウルも在り得るんじゃない?
どっちにしてもうちの母さんは喜んでるよ^^」
YS「そうか・・・」
「まぁいつになるかははっきりしてないみたいだけどね。
それより兄さん。冷めちゃうから早く食べなよ」
YS「サンキュ^^」
実家はやっぱり暖かい。
*
YS「・・・」
車で宿舎までの道を走る。
運転中―ずっと一つのことしか考えていない。
Aが韓国に戻ってくる、のか。
Aとはもう随分長いこと会っていない。
チョンアンでは小さい頃からずっと一緒で。
同い年だけど、ジョンジン以上に甘えたがりで。
ホントの妹みたいな幼馴染みで。
だけど、あの卒業式のお祝いの日。
あの晩から―俺の中で彼女の存在はただの妹では無くなってしまった気がする。
Aとは長い付き合いだから、色んな思い出があるはずなのに―
彼女の顔を思い出そうとすると浮かんでくるのは。
潤んだ瞳で俺を見上げる彼女の表情と。
そのあと全てを失ったかのようにみるみる曇った瞳。
―それだけだった。
*
宿舎に戻るとトゥギヒョンが、俺が置いていったアルバムのサンプリングを聞いていた。
LT「おお、お疲れ。イェソン聞いたぞ、これ。
お前のパートいいな^^」
YS「^^」
LT「あれ・・・」
俺はヒョンに目で返事だけして部屋に入った。
俺の歌、か。
―ジョンウンの歌声が世界で一番好き!
いつもそう言ってくれていたA。
でもそのときの彼女の笑顔は―もう思い出せない。
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Mercury zero(プロフ) - ..yrs..さん» おお!まさか私の作品も見に来ていただけるとは!感激でございますっ><浮気ですか・・・それは是非とも兄さんに鞍替えしてほしいところですな(笑)しかし、私の書く残念兄さんじゃ無理くさそうですが;;このお話では〜一応後半でshow you the faithしてます(笑) (2013年4月26日 22時) (レス) id: 92a1792e3e (このIDを非表示/違反報告)
..yrs..(プロフ) - 初めまして!いや、昨日コメント頂いて感動した者です(笑)まだ7話目ですがドキドキ!今後の2人の展開が楽しみ~^^常にイェソンに浮気してるウギペンなのでイェソンのお話大好物です~(笑)♪keep the faithいい言葉です☆ (2013年4月26日 15時) (レス) id: df1c68db7c (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - 和美さま あんにょ〜ん♪コメありがとうございます!面白い打だなんて・・・恐縮です。小心者なので(笑)じわじわ更新ですが、キュンキュンとかドキドキとかお届けできたら嬉しいです^^こちらこそ今後も宜しくお願いしますね♪ (2012年11月6日 9時) (レス) id: ec9afe8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - na2Wookさま コメありがとうございます!キュンキュン!それこそが私がお届けしたいものなのですよ!そう言っていただけてホントに嬉しいです♪これからの更新の励みになります〜^^ (2012年11月6日 9時) (レス) id: ec9afe8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - るいこすたさま きゃ〜〜!前作からとか!どうしよう、嬉しくて大変!ありがとうございます〜^^我ながら、このイェソン兄さんにはじれったくてイラついてますが(笑)引き続き見守っていただけると嬉しいです〜♪ (2012年11月6日 9時) (レス) id: ec9afe8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mercury zero | 作成日時:2012年10月26日 23時