You and me...

ティーブレイク ページ8

ｱｷ「しっかしさぁ・・・その幼馴染みも罪だよねぇ」


ｲｪｿﾝのポスターの前で仁王立ちになっているアキ。
私は淹れたてのコーヒーと、アキが持ってきてくれたフルーツロールをテーブルに載せた。


ｱｷ「いくら妹みたいな存在だからってさ。
女の方からそこまで言ってるんだから・・・抱いてやりゃいいのに」

「んーーそうなんだけど・・・。まぁそうしなかったのも彼の優しさなのかなって。
最後までお兄さんを貫いてくれたっていうかさ」

ｱｷ「って言うけどアンタ！全然そのお兄さんから気持ち離れられてないじゃん！」

「う・・・」


痛いところを突かれる・・・。
だって。
それでもやっぱりｼﾞｮﾝｳﾝが好きなんだもの。


ｱｷ「ｲｪｿﾝだってまさか思ってないでしょうよ。自分が振った幼馴染みが。
10年間ずっと自分のことが好きで、そのせいでﾊﾞｰｼﾞﾝだなんてさ」

「『せいで』って言わないで。いいんだもん・・・好きな人とじゃなきゃヤじゃん」

ｱｷ「はぁ〜〜アンタ、そこそこ可愛いし良い子なのに。ホントもったいない！
誰かｲｪｿﾝからかっさらってくれる頼もしい男はいないもんかね」

「そこそこって・・・アキ(笑)」


確かに、アキの言うとおりそんな人がいてくれたらよかった。
ｼﾞｮﾝｳﾝのことを忘れさせてくれるくらい夢中になれる人が。
でも残念なことにそんな縁も私には持ち合わせなかったのだ。


「さ、コーヒー冷めるよ？食べよう＾＾」

ｱｷ「おーありがと♪」


アキは腰を下ろして、コーヒーを飲みながらまだこの話題を続けた。


ｱｷ「まぁね〜これだけかっこいい子が幼馴染みじゃ無理もないのかなぁ。
話聞いてるとホントに優しい子みたいだしね」

「そうなの！優しくってね、歌がすっごく上手でね、笑うと目が下がってね・・・」

ｱｷ「A。思い出は美化されるもんなんだからね？」

「はい・・・」


アキが振った話題なのに・・・結局は彼女自身が切ってくれたのだった。


私たちはいつもこんな調子で、おしゃべりするときは大体アキのペース。
でも彼女は私のことを心配してくれてるのよね。


アキはフルーツロールを口に含みながらｲｪｿﾝのポスターを振り返った。


ｱｷ「でもｲｪｿﾝって私もわりと好みよ♪甘ったるくないところがいいね＾＾」

「昔はこんなにかっこよくなかったんだけどね〜」


自分で言って、思わず笑ってしまった。

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