BE THERE vol.2

smile like a soda pop ページ32

YS「ん。これ、Aの」

「あ・・・りがとうございます・・・」


会計を済ませたコンビニを出ると。
ビニール袋に入ってないコーラを、そのままｼﾞｮﾝｳﾝさんから手渡される。
私はそれを両手でおずおずと受け取った。


ｼﾞｮﾝｳﾝさんは飲み物も買ったみたいだけど。
それよりも〜どうやら煙草が買いたかったみたいで。
車に乗り込むよりも先に、1本口に咥えだした。
へぇ・・・この人、煙草吸う人なんだ。


ｼﾞｮﾝｳﾝさんの見た目にも声にも似合わないわけじゃない、けど。
歌手の人たちって、喉のためにそういうのはやらなさそうって勝手なイメージがあったから。
あんまりジロジロ見ちゃいけないな、とは思いながらも。
つい彼の仕草を見つめてしまった。


YS「んーー？暑いから、中入ってていいぞ＾＾」


運転席側のドアに背をもたれかけていたｼﾞｮﾝｳﾝさんが、口から煙草を離して。
反対側でボーーっとしていた私を振り返った。


「あっ・・・私も。ここで少しだけ飲んでいこうかな・・・これ」


ハッとしてから、ｼﾞｮﾝｳﾝさんが買ってくれたコーラのペットボトルのフタをまわす。
―と。


「えっ？！あっ！きゃーーっ＞＜」


瞬間、もこもこっと炭酸の泡が噴き出して。
その泡がこぼれて今日着ていたコットンのチュニックにかかる前に。
私はペットボトルを手にしていた右手を、思いきり前に突き出した。


ｼﾞｮﾝｳﾝさんは、小さめの車のルーフに両腕を載せながらその様子をしっかり見ていたみたいで。
「ククッ」っていたずらっぽく笑っていた。


「・・・こういう子どもみたいなことをするのはｼﾞｮﾝｳﾝさんですか」

YS「そんなに振ったつもり無いんだけどな(笑)」

「やっぱり！」

YS「だけど、お約束なんだな。A＾＾」


腕に引っ掛けていたかごバッグの中から、タオルハンカチを取り出して手とペットボトルをささっと拭く。
もう・・・ホントにこの人って年上っぽくないというか。
だけど、そんな彼のペースにはめられちゃう私も私というか。


ちょっと呆れながらも、ほんの少しだけ量が減ったコーラに口をつける。
コーラなんて飲むの何年かぶり、なんだけど。


「美味しい・・・」

YS「飲みたかったんだろ。良かったな＾＾」


ここでこうして飲む冷たい炭酸が―すごく美味しくって。
飲みながら、そう思ってる自分がなんだか可笑しくって。


青い空と白い雲を背景にしたｼﾞｮﾝｳﾝさんに。
笑顔を向けていた。

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