BE THERE vol.2

Golden Age-YS ページ13

KH「起きろ。ｲｪｿﾝﾋｮﾝ」


うとうととまどろんでいたところを―俺とは全く違った質の。
低い声によって、途絶えさせられる。


だけどそのトーンや物言いの、あまり可愛げの無いところとは裏腹に。
俺の肩を揺らす具合は、コイツの本質を表したかのように心地良いものだ。


この手が存在していることがどれだけ尊いことであるか―
俺は今日、明るいうちに行ったあの病院で再び思い出すことができて。


YS「ｷｭﾋｮﾅっ＾＾」

KH「だっ？！」

YS「帰ったのか？怖いこと無かったか？」

KH「アンタ・・・寝ぼけてんですか」

YS「んーー。おかえり＾＾」


可愛い弟を―最大限の愛情を持って迎える。
弟のくせに、俺よりタッパはあるが・・・(笑)


YS「俺がこうしても嫌がらないんだな」

KH「疲れて反抗する気力も無いだけです・・・。てかなんですか？その鬱陶しいくらいにゴキゲンな理由は」


俺の腕の中で、面倒そうに。
端的に疑問を寄越してくるマンネ。
だけど本人がそう言うように、珍しく無抵抗だ。
いつもなら「ウザイ」とか言われそうなところなんだけど、な(笑)


YS「んーー。今日。思い出したんだ」

KH「なにをですか」

YS「お前が可愛くて仕方がないってこと＾＾」

KH「ハッ！今更？」


あ・・・コイツきっと。
今、悪い顔してるな(笑)
そんなのが本人を見なくともいとも簡単に想像できて―俺も小さく笑った。


KH「ｲｪｿﾝﾋｮﾝ。今日のオフ、なにしてたんですか？ｳﾆｮｸﾋｮﾝたちも気にしてましたよ」

YS「病院、行って。Aとのび太に―会ってた」

KH「は・・・？」

YS「それで。Aとデートする約束。取りつけた」

KH「・・・？！」


ようやく実現しそうな―人魚姫とのデート。
ほんの少し前に、彼女が家に帰ってそうな時間を見計らって。
彼女の手書きで記された数字に着信を入れて―それがつながったのだった。


そこまで言った、タイミングで。
改めて反抗する気になったのか―バッと俺から体を離すｷｭﾋｮﾝ。
眉間に深いシワを刻んでいる。


そして。


KH「アンタ！好きな子とデートできるからって、それで浮かれて！
僕にまでこのウザイ愛情表現ですか！フザケンナっ！」


あ・・・やっぱり言われちまった。
「ウザイ」、のか・・・俺(笑)


それにしても。
好きな、子？
マンネのその一言になんでだかわずかに面食らう。


そういや―なんでこうまで彼女に固執してるんだろうな。
俺は。

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