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「お茶でいいかな？」
「あぁ…お構いなく」
週末。俺は葵さんの部屋に居た。
約束をした時点で、破れる気はしていなかった。
行くのがだめなら来るのは？なんて、よく考えたものだなと思う。
葵さんはお茶が入ったコップ2つとお菓子を乗せたトレーを持って戻ってくる。
コップをこちらに1つ、自分側にも1つ置くと、テーブルを挟んで向かいに座った。
「こうやってうちに来るのも久しぶりだね」
「俺の中では初めてですけどね」
「あ、そうだった…！ごめんね」
“大丈夫です”と答えれば、安心したように胸を撫で下ろした。
それでも落ち着かないのか、また少しすると手をいじり始める。
「どうしたんですか」
「その…。ショウくんは須夜崎さんのこと、どう思ってるのかなって」
どうしてAさんのことを知っているのだろう。
同じ学年だから何もおかしいことはないはずなのに、凄く嫌な予感がする。
素直に答えてはいけない。
「ただの友人ですよ」
「…じゃあ、私と付き合って。
私ね、記憶を失うずっと前から、ショウくんのことが好きだったの」
顔を赤らめて、上目遣いで発されたその言葉は理解出来なかった。
じゃあって、なんですか。
Aさんを友人だと思っていることと、あなたのことをどのように見ているかは結びつかないのに。
「でも俺は、」
「須夜崎さんのこと、好きじゃないならいいでしょ？」
「……わかりました」
断れないと思った。
見られたくないとも思って“今まで以上の接触はしないでくださいね”と付け足す。
付き合ったという事実が出来て満足したのか、否定はされなかった。
「帰ります」
きっと断ったからといって、直接危害が加えられることはないだろう。
だけど万が一が怖くて、安全を取った。
Aさんのことを異性として見ていないのは本当だけど、ただの友人だと思っているわけでもない。
ただの友達には感じることのない安心感や信頼が、確かにあるから。
それを他人に壊されたくなかった。
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sutoro(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます！最初の方は私も書いてて苦しいシーンが多かったです…終わり方結構悩んだのでそう言っていただけて嬉しいです！こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました！ (12月26日 12時) (
レス) id: 47c1806eee (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 素敵すぎて…😭😭最初の方がどうも不穏でどうなっちゃうのかずっとしょぼしょぼしてたんですが、きれいに優しくまとまってて泣きそうになっちゃいました……素敵な作品をありがとうございます💕💕 (12月26日 0時) (レス) @page40 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
Mer(プロフ) - トヲルさん» コメントありがとうございます！励みになります。更新頑張ります！ (12月12日 19時) (レス) id: 47c1806eee (このIDを非表示/違反報告)
トヲル(プロフ) - コメ失礼します！読んでいて心の涙腺めっちゃ崩壊しまくりました！更新応援してます！コメ失礼しました！！ (12月12日 18時) (レス) @page19 id: 1464d042d3 (このIDを非表示/違反報告)
Mer(プロフ) - 四肢さん» すみません。今気付きました。ありがとうございます！ (12月11日 1時) (レス) id: 47c1806eee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mer | 作成日時：2023年12月10日 18時
