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体内の酸素がなくなったってくらい激しいキスは続いた。

苦しくて、涙目になる。
それなのにとろけそうで気持ちいい。

そんな時、やっと唇は離れた。


『んはぁっ、はぁはぁ………』


めいいっぱい空気を吸う。
酸素を求めて肩が上げ下げする。

肺に空気が回ると、少し余裕ができてお兄さんの方に目を向ける。

お兄さんも、肩を上げ下げしていた。


『カワグチ ジン………。』


掠れた声で呼んでみた。
あたしは今、初めてお兄さんの名を呼んだ。

ゆっくりこちらを見るお兄さん。

今までより魅力が溢れていて妖艶だった。


ジ「俺だけはズルいよ 、おねーサンはなんて言うの?」


いつの間にか、また手は繋がれていた。


『A。』


カッコつけて、お兄さんの真似をしてみた。


ジ「A。」


お兄さんは私の真似をした。

その瞬間、再び苦くて甘い匂いが私を包む。
繋がれていた手は腰に回される。

思いっきり抱きしめられて、あたしと“ジン”の距離は0になる。


『どしたの、さっきから。』


なんて言ってみるけど、正直心臓は破裂しそう。大人な匂いに、クラクラする。


ジ「ん、なんでもない。」


耳元でそう言うから、くすぐったい。


『ジンは欲求不満なんだね、』


自然と緩む顔でそう言う。
あたし達は、結局どんな関係なんだろう。

それだけは気になったけど…
悲しい思いしそうだから、聞かなくていいや。


ジ「俺欲求とか耐えられる方なのに、Aのせいで。。。」


ジトっと見られるけどそんなこと言われても困るだけだよ?あたしは。

嬉しいけど、ジンは彼女とかいそうだし…


『あたしよりも大切にしないといけない人、いるんじゃないの?』


顔、引き攣ってないかな…
結構これ言うのしんどいよ、?


ジ「だから、それがお前だっつってンの。」


そう言って再び手を繋がれ、歩き出す。


『冗談、得意なんだから…。』


聞こえているだろうか。
ジンの言ったことなんて、きっと遊ぶための決まり文句。

それは分かってるけど…
期待してドキドキしちゃって、バカみたい。

でも遊ぶなら、遊ぶだけ遊んで捨てる時はパッと捨ててね。

そうでもしてもらわないと、ジンばっかり頭に浮かんで、諦められそうにないから…

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めら(プロフ) - ろっとさん» コメントありがとうございます!すごく励みになります(;_;)更新ペース落ちないよう頑張ります! (2018年8月19日 18時) (レス) id: 3d1de3f670 (このIDを非表示/違反報告)
ろっと - 最近更新多くうれしいです!! (2018年8月18日 23時) (レス) id: 86fd57fbe3 (このIDを非表示/違反報告)
めら(プロフ) - 希美さん» 嬉しいですありがとうございます!!更新頻度落ちないように頑張ります! (2017年9月9日 0時) (レス) id: 8a36d932d4 (このIDを非表示/違反報告)
希美(プロフ) - すごく面白くて一気に読んじゃいました( ; ; )!更新待ってます! (2017年9月7日 20時) (レス) id: ab613d3654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めら | 作成日時:2017年9月3日 21時

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