【約束のネバーランド】異分子Ⅱ【転生】 (ページ2)

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「脱獄決行は6日以内。でも、できるなら明日決行したい。ママとシスターに動かれる前に____発信器はもう壊せる。あとはこの「下見」を残すのみ。」

「行こう。下見を終えれば脱獄だ。」

昼食後の13時。クローネの排除が終わった頃だろうか。人知れず、生命が奪われている。先程まで触れていた温もりが、もうどこにも存在しない。兄弟を送り出した時くらい苦しい。けれど、今は下見をしなければならない。

私はクローネの見張りだったが、そのクローネが居ない為、ギルダ&ドンと待機である。

「A、シスターの見張りしなくていいのか？」

『……うん、大丈夫。クローネはもう"居ない"から。』

「居ないからって、どういう…。」

ギルダの声が途切れる。

「…！！ねぇどういうこと！？」

レイから合図は無い。しかし、ママがモニターを見ながら施設から出てきた。レイが不当解雇されたのだ。レイが閉じ込められたという事はノーマンの出荷も当然ある。

「一体どうすれば……。」

『落ち着いて……私はママについて行く。ギルダは待機、ドンはハウス見てきて！！』

「おう！ギルダ、何かあったら知らせる、すぐ動け。」

これでレイの方は大丈夫なハズ。後は下見組の方だ。ノーマンの出荷が、Λ(ラムダ) 7214ではなく本当の出荷だったら……。万が一があってほしくない。

草木を掻き分け、ママを追う。大人と子供の歩幅の差がなんとも歯痒い。距離を詰めるどころか、開いていくばかりだ。

『待って、ママ……！！』

「ふふっ、A。鬼ごっこみたいね。ほら鬼さん、頑張って。」

この大人(ひと)、わざと歩幅広くしてる…！！楽しんでるな！？くっそズルいぞ！！！

こちらの気持ちなどお構い無しに、どんどん先へ進むママ。姿を見失わないようにするだけで精一杯である。こういう時だけは、子供の身体が憎い。

まるで幼い少女のように森を抜けていくママは、スキップでもしているかのように華麗な足取りで、徐々に見えなくなっていった。