**怖い ページ5
初めて会った日__彼ほど真っ暗な
瞳を持った人はいないと思った。
口だけが笑っている彼を見て、未桜は震えた。
_怖い。この人は……化け物だ。
この時空に居て、初めて恐ろしいと思った。
初めてこの人はここに居させてはいけないと思った。
例え客だとしても、全身全霊を持って追い出さないといけないと思った。
「大丈夫かい?顔が真っ青だけど……。」
「いえ…。大丈夫です。」
心が痛い。ギリギリと締められる…そう、まるで
蛇に紐に身体を縛られ、そのまま締め付けられるような痛み。
この人は__
彼の足下には数え切れない屍が山のようにあるのだろう。
そして彼はその山の上に君臨している。
「実は先程怪我をしてしまってね…。出来れば手当をして貰いたいのだけど…。」
「あ……それは大変ですね。えっと…そこの椅子に座ってて下さい。今救急箱持ってきます。」
うん、ごめんねと笑った彼はたまたま置いてあった木の椅子に腰をかける。
未桜はそれを見届けると、逃げるかのようにその場を後にした。
「ごめんなさい。お待たせしました。」
両手で収まる程の大きさの木箱を抱えながら、未桜はプラプラと脚を動かす男の元に向かう。
「ううん、ごめんね。__えっと腕を怪我したんだけど見てもらってもいいかな?」
ニコニコと笑いながら男は着ていた外套を脱ぐと、持っていた布か何かで巻いてある腕を見せる。男はその布を取って、未桜に傷口を見せる。
「……随分と抉られているようですけど……一体何が原因で?」
「ん、んー…ちょーとそれは言えないんだよねェ。まあ排水溝に落ちたってことにしておいて。」
「…………分かりました。」
明らかに銃弾か何かで傷ついたものを排水溝に落ちて怪我をしたというのは、余りにも無理やりすぎるが目の前に居る彼の目が「そうしろ」と物語っていたので、未桜は不服ながらもそう考えることにした。
傷口に消毒液をかけ、清潔な布で拭い、真っ白な包帯でクルクルと慣れた手つきで傷口に包帯を巻く。
「君、上手いね〜」
目の前に居る男は感心したように言う。
「……別に普通ですよ。__はい、終わりました…っと」
「あいたっっ!__もう叩かなくてもいいじゃないか。」
「無駄口叩いている暇あったらさっさと出ていってください。こっちは忙しいんです。」
どこかイラついたように未桜はそう言い放つ。
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椿姫(プロフ) - ミユ・アローンさん» あ、ありがとうございます!!これからも頑張りたいと思うので、応援ヨロシクです( ´ ▽ ` )ノ (2018年2月14日 23時) (レス) id: 5453f44b83 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ・アローン(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも、ゆっくりと楽しみにしています!頑張ってくださいね♪ (2018年2月14日 20時) (レス) id: 22497290a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿姫 | 作成日時:2018年2月13日 22時