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幸せ ページ4

「と言うことだ。満足したか、太宰。」
「うん、それはもう十分に。聴いてるこっちが胸焼けするぐらいにね。」

未桜に渡されたグラスを片手に太宰はニコニコと笑う。
織田はそんな太宰を横目にグラスに入っていたウィスキーを一口飲む。

珍しく長く話した気がする。

織田はそう心の中で思いながら、カラカラに乾いた喉を潤すようにまた一口
ウィスキーを口に運ぶ。
丸く削られた氷がカランとグラスに当たる。

「にしても良かったよ。」
「?何がだ?」
「だってもう二度と逢うことが無いと思っていたんだ。ねぇ織田作、君は今、」

  幸せかい?

ニコニコと笑っていた太宰はスッと真顔になった。しかし瞳は穏やかに笑っている。
織田はハッと小さく息を吸うと薄く笑いながら

「嗚呼。それはとても。」
 
心底嬉しそうにそう応える。
太宰はそう織田が応えること解っていたかのように小さく笑うと、それは良かった
とまた嬉しそうに言う。

すると、どこからかパタパタと走る音が聞こえた。二人はその音の先を
目で追うと、料理の下準備をし終えた未桜がこちらに向かって来ていた。

「おや、随分長かったじゃないか。」
「まぁ今日は沢山お客様がいらっしゃいますからね。……どこぞの心中志願者が
連れてきたもんですから。」

うふふと笑いながら未桜は太宰の売り言葉に買い言葉を乗せる。
織田はそんな二人に気を止めること無く、未桜に問う。

「なら、もう少し掛かるということで良いんだな?」
「え?あ、はい。そうですね。準備がし終えたらまた来ます。」

それにしても。

突如未桜が話を切り返す。

「どうかしたんだい?急に話を変えるなんて。君らしく無いじゃないか。」
「あら、そうですか?」
「それで何かあったのか?」

このまま太宰に任せても話が終わらないと感づいたのであろう。口を挟むような形で
織田が言う。

「え。いえ、そう云う程のものではないのですが……」
「えぇ…気になるんだけど。」
「ほら、大丈夫だ。言ってみろ。」

ほらほらと二人が未桜を急かすように言う。すると眉間に皺を寄せながら未桜は考えると、
ハァと短い溜息をだした。

「ホントつまらない事ですよ。——太宰さん、笑うようになったなぁって思っただけです。」
「そうかい?それは嬉しいなぁ。」

太宰は未桜の言葉に一瞬驚くと、ニコニコと笑う。

そんな太宰を見て、未桜はさらに瞠目する。

なぜならその笑みは純真なものだったからだ。

**怖い→←ばかなひと


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設定タグ:文スト , 織田作之助   
作品ジャンル:アニメ
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椿姫(プロフ) - ミユ・アローンさん» あ、ありがとうございます!!これからも頑張りたいと思うので、応援ヨロシクです( ´ ▽ ` )ノ (2018年2月14日 23時) (レス) id: 5453f44b83 (このIDを非表示/違反報告)
ミユ・アローン(プロフ) - 続編おめでとうございます!これからも、ゆっくりと楽しみにしています!頑張ってくださいね♪ (2018年2月14日 20時) (レス) id: 22497290a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:椿姫 | 作成日時:2018年2月13日 22時

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