キ ミ の 特 等 席 【橙】

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『こちらです』

？「ん、ありがと。」

『ご注文お決まりになりましたら
お声がけ下さい』

？「君、名前なんて言うん？」

『えっ…あ、相川です。』

？「相川さんな、決まったら呼ぶわ」





ほわ〜…めっちゃ関西弁じゃん…！

しかも、めちゃめちゃフレンドリーだし…


上京してきたのかな？
ここらへんに住んでるのかな？

何歳だろう…
どんなお仕事してるのかな？



そのお客様を見るだけで
知りたいなと思うことが沢山浮かんでくる。

こんな感情、初めてだ。





店長「どうしたの？そんな目輝かせて」

『素敵なお客様がいらっしゃってて』

店長「どれどれー？」





厨房から日当たりのいい席を
じーっと見つめる店長。

ちょ、あんまり見てあげないでよ…

失礼じゃん…





店長「めっちゃかっこいいじゃん！」

『ですよね、しかも関西の方っぽくって。
流暢な関西弁で話しかけられました』

店長「へぇ！すごいねぇ！」

『そろそろ注文決まったかな？
行ってきますね！』





ててて、とホールに出ては、
かっこいい男の人の元に向かう。

目が合えば、にこっと微笑まれて
"あ、相川さん決まったで"と感じが良い。


頼まれたのは、
チーズケーキとコーヒー。

あまりホイップ系を好まないとか。



注文が終わるや否や、
すぐにノートPCを開いては真剣なお顔で
作業に取り掛かっている。




なんのお仕事してる人なのかな？





気になって仕方ない。





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