先輩と殺し屋さん【橙】

DAY 372 . ページ29

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3人で逃げたあの日から丁度1年が経った。


私と兄は殺し屋の仕事をこなしながら
未だに逃げている。



"橙川 ジェルを殺害していない"という事件から
ずっとずっと逃げているのだ。






さ「お前なぁ、あそこはこう回し蹴りしてってなぁ…」

『だーかーらー、私には私のやり方があんの！
もう！さとにぃは真面目すぎ！』

さ「はぁ…お、めっちゃいい匂いする」

『お腹すいてきちゃった〜……ただいまぁ、ジェルくん』

ジ「お！おかえり〜、ふたりとも〜」





私たちは、1年前より仕事がだいぶ増え、
学校に行く時間もあまり無くなり

今は行っていない。


ジェルくんは、殺されたっていう体で
話を進めたため、学校に行けなくなった。

行けない分、家事をやってくれたり
治療に専念してくれたりと、



自分と私たちのために、
未来を生きようとしてくれている。





さ「おなかすいた、ジェル」

ジ「さっちゃん、今日ハンバーグやで！」

さ「まじ！？まってもうジェル天才、神」

『ほんと昔からジェルくんのハンバーグ好きだよね』

さ「ばか、おめ、このじゅうぶんな肉厚！最高だろうが！」

『そ、そうだね。』





相変わらず、兄のハンバーグ愛は
日に日に急増していくばかり。

それを微笑ましいのかニコニコしながら
兄を見つめるジェルくんに

私は微笑んでしまう。






はぁ、好きだなぁ。


彼のおかげで、仕事疲れなんて
吹っ飛んじゃうよ。






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