先輩と殺し屋さん【橙】

DAY 6 . ページ20

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学校に着いてから、
私はずっと上の空で外を見つめていた。

明日には彼を殺して、
この学校を去らなければならない。



あっという間だった。

この短くも長くもない、そんな7日間。




彼がいい人すぎたんだ。

彼が優しすぎたんだ。

彼がかっこよく見えて仕方なかったんだ。




彼の隣に居たいなんて図々しいだろうか。

この先も彼と一緒に未来を歩みたいなんて、
図々しいだろうか。

彼の隣で彼の笑顔を見て生きていきたいなんて、
図々しいだろうか。




そんな葛藤に苦しみながら
私はただただ、空を見つめる。

なんて清々しい青なんだろう。


私もこんな清々しい色になれたら、
苦労しないのかな。





あぁ…そういえば、
次、移動教室だっけ……

私は、気だるい身体を無理やり動かして
次の授業がある教室まで向かう。



渡り廊下を歩けば、
いい感じにポカポカしてそうな中庭が。

……サボるのもあり…かな？



あまり人が通らない中庭は
サボるには絶好の場所。

この短期間でよく気づけたものだ。
生粋の怠け者だと言っても過言ではない。



大きな木の下でのんびり背伸びをする。

木の間から漏れる陽の光に
綺麗だな、なんて思ってると木の上から声が聞こえてきた。





？「あれ。珍しいやん！」

『え、あ、えっ！？ジェル先輩！？』





"よいしょ！"なんて言いながら
木からストン！と降りてくる彼は身軽なのだろう。



それすらもかっこよく見えるのは、









かなりもう、重症なのかも。





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