先輩と殺し屋さん【橙】

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理解が追いつかない。

なぜ彼が、私の身分を知っているのかが
分からなかった。


なんで、知っててなお
私から離れなかったのかが分からない。


それにいつから知っていた？
いつから情報が漏れていた……？





ジ「聞きたいこといっぱいやろ？
ひとつひとつ答えていこか。

君が殺し屋だって知ったんは、
出会って3日目くらいだったかな。

さとちゃんとの会話を聞いてしまってん。」





" さ「いいけどよ…お前さぁ、殺れんの？」

『取り消しできないなら、遂行するよ』

さ「俺が代わりに殺ってもいいぜ？」

『いや、私が殺すよ。ジェル先輩を。』 "






『あの時か……
盗み聞きなんて性格悪いですよ、先輩』

ジ「そうよな、ごめんな。

それと、俺は今殺されても殺されんでもな？
どっちみち一緒なんよ。」

『……どういう…』



ジ「俺、心臓が悪いんよ。」





苦しそうな笑顔でそう言う彼。

辻褄があって仕方なかった。



あの時病院で出会ったことも。

屋上での謎の発言も。



全て全て、辻褄があった。






ジ「俺、20なる頃には死ぬんやって！
せやから、ここで死んでも死なんでも変わらへんねん。」

『……』

ジ「好きな人のそばで最期を過ごしたいんよ。
やから、早くAちゃんが殺してくれんか？

Aちゃんが殺してくれんと、
さとちゃんに殺られるんやろ？

俺、男に殺られるんは嫌なんよ〜w」






"えへへ"なんて笑う彼。

笑える状況でもなんでもないのに。



ねぇ、やめてよ。


そんなふうに思うのやめてよっ…




私は拳銃を持った手の力を
ゆっくりゆっくり強めた。






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