先輩と殺し屋さん【橙】

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ジ「なんでこんなとこおんねん！
探してたんやで〜！」

さ「探してたっていう割には
グラウンドでサッカーしてたやんけ」

ジ「さ、誘われたんよっ！」

さ「元気やな、ジェルは」





隣でお弁当を頬張る兄に
先程までサッカーをしていた元気な先輩。

まだ彼と出会って5日という短い期間で
仲良くなった彼らに驚きを隠せない。



もし、さとにぃが
ジェル先輩を殺すことになってたのなら、


さとにぃは躊躇いなく、
彼を殺害できていたのだろうか。




そんな疑問を抱きつつ
私は彼らを横目に見ながら、屋上の景色を見ていた。


この景色もあと2日で見れなくなるのだ。

しっかり目に焼き付けておこう。





ジ「Aちゃん」

『先輩、どうしました？』

ジ「ここの景色綺麗やろ」

『そうですね、街の景色が一望できて綺麗です』

ジ「俺、この場所が好きなんよね。
何年後も、何十年後も、この景色を楽しみたいんよ」

『…』

ジ「変な話したな、ごめん！
俺、もう行くな。はよ教室戻るでさとちゃーん！」





先輩は、なんでそんな話
私にしたのかな。

何かを隠してるのは確かなんだけど…

それがまだ、私には分かっていない。




私が普通の女の子だったら、

あなたのその隠し事も、
共有することが出来たかもしれないのに。






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