Femme Fatale【stxxx】

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【side Root】





きっと僕だけだろう。

冷静に今、作曲作業を行っているのは。



ころちゃんもジェルくんも焦ってて、
さとみくんも莉犬も探し回ってて、
なーくんも意気消沈してて。


きっと僕だけだ、こんなに余裕で居られるのは。




あの時、彼女と約束した。

"僕の前から居なくならないで"と。



でも彼女はいとも簡単に破った。



でもなんとなくだけど、
こうなることは予想はしていた。

きっと彼女のことだ、
前触れもなく突然消えて無くなりそうだ、なんて。





る「…貴方は本当に心配かける天才ですね。」





カタカタとキーボードを打っては
どんどん自分好みの旋律を作っていく。


スマホのロック画面には、
彼女とデート…なんて言ったら恐れ多いかも。

お出かけした時に撮った写真。



ふわりと儚げに笑う彼女の笑顔が大好きだった。

風になびいた茅色の細い髪が大好きだった。

太陽の光に照らされて、より一層白く光る肌が大好きだった。

彼女のうるっとした可愛い垂れがちな目も大好きだった。


今にも触れたくなるような、
腕も、足も、頬も、手も、大好きで大好きで。




彼女が居なくなったことを、
受け止めきれない自分が大嫌いで。




ねぇ、どこに行ったの？A。




これ以上心配させないでよ。







良い子で、僕だけを、


待っててくださいね。





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