Femme Fatale【stxxx】

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る「お待たせしました！」




彼の可愛らしい声が聞こえてきては
声の方を見る。

あぁ、やはり彼は私の癒しだ。


急いできたのか、
滴る汗が色っぽいが、彼には似合わない。

でもまた、それがいいのかもしれない。





『急いできたんでしょ？これで汗拭いて？』

る「可愛らしいハンカチですね、ありがとうございます」





彼に渡したのは、オレンジ色のハンカチ。

前にジェルくんから貰ったもの。
彼はセンスがいいからな。


私は、汗を拭く彼に先程買っておいたお茶を差し出す。

嬉しそうに受け取る彼を見て
微笑ましくなる。





る「ありがとう、ございます…！」

『ううん、来てくれてありがとう』

る「いえ！こんな時間に女の子が外に居るなんて
心配で仕方ないですよ〜」

『優しいね、るぅとくん。』

る「Aさんにだけですよ、こんなことするの」

『……ふふ、嬉しいかも。』





特別感を感じては、優越感に浸る。

彼は他の5人と比べて誰よりも、私を特別視してくれる。
そんなところに私はまた、心を動かされるのだろう。


"そういえば"と口にする彼に
私は首を傾げる。

にこっと笑う彼の笑顔はなんだか意味深だ。





『どうしたの？るぅとくん』

る「ころちゃんと付き合ってるって本当ですか？」






やはり、その質問が来たか。

コンビニの前で話すような話題じゃないんだよな。


はぁ、ころちゃんのおかげで
めんどくさい羽目になってしまったじゃないか。






『そこのファミレスで話さない？』







繋がれた彼の手は、ほんのり温かかった。




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